BioKiteキッズ バイオカイトで化学を学ぼう!

メルマガ(第001-第025)

第001号第002号第003号第004号第005号第006号第007号第008号第009号第010号第011号第012号第013号第014号第015号第016号第017号第018号第019号第020号第021号第022号第023号第024号第025号

第001号 糸だしテクニック~基本編~

(良い例)
  • バイオカイトは、糸をゆっくり送り出すと高く揚がります。
  • バイオカイトを揚げるときにリールのスプール(糸巻き部)に軽く指で押さえ、ブレーキをかけながら
    糸を送り出してください。
  • 突然風がなくなると、糸がもつれたりすることがありますので、必ずリールのスプール(糸巻き部)に
    軽く指で押さえブレーキをかけて糸を送り出してください。
(悪い例)
  • リールのスプール(糸巻き部)にブレーキをかけずに送り出しをフリーにすると、バイオカイトは
    上昇せずに横流れします。

第002号 バイオカイトを飛ばす前の注意点

1. バイオカイトをキャリングケースより取り出して組み立てるときは、必ず風上に背を向けるとともに、
バイオカイトの頭部を風上に向けて開いてください。
(バイオカイトは、頭部から尾翼方向に風が流れるように作られています。尾翼が風上のほうを向いて、
強い風を受けると破損する可能性が あります。)

2. バイオカイトを外でバネを連結したあと、必ず尾翼のマジックテープを貼り合わせましょう。
(尾翼のマジックテープを貼り合わせるのは、飛行機の垂直尾翼と同じ 原理だからです。)

第003号 尾翼のつまみ(マジックテープ)の重要性

バイオカイトの尾翼にマジックテープが付いているのをご存知でしょうか?
取り扱い説明書には、飛ばす前の準備としてマジックテープを貼り合わせていただくよう説明があります。

マジックテープを貼り合わせると水平尾翼がやや背中のほうに反った形になるのがおわかりになると思いますが、実はこれがバイオカイトの安定飛行に重要なポイントなのです。

水平尾翼がやや背中のほうに反ると、頭部から尾翼にそって流れる気流が尾翼を下に押し下げることになり、それがバイオカイトの墜落を防止することになります。

ただし、尾翼のマジックテープを貼りあわせた、いわゆるつまみはどんな時でも必要かというとそうではありません。風が吹いたり止まったりするような中で必要になるのです。

風が絶えず吹きつづける中では、バイオカイトは安定して飛行します。ところが、突然風がやむとつまみのないバイオカイトはグライダーのように滑空を始めます。

この状態が続くとバイオカイトは揚げている人(フライヤー)の頭上をはるか飛び越えて滑空しやがて、頭部を下にして墜落することになります。

これを防止するための重要なパーツがつまみというわけです。室内でバイオカイトをつまみを入れずに紙飛行機のように投げるとほとんどの機種のバイオカイトは滑空しますが、(トビなどのモデルは滑空しない)つまみを入れると木の葉が落ちるようにシーソー運動をしながら降下します。

つまり、とつぜん風がやんでもバイオカイトは滑空して頭上を飛び越えることなく、次の風が吹くまで、ゆっくりと木の葉のようにゆれながら時間稼ぎができ、墜落を防止するのです。

第004号 水汲み運動(みずくみうんどう)の対策

今回のテーマは、バイオカイトの水汲み運動(みずくみうんどう)の対策です。

●水汲み運動とは?
上空に舞い上がったバイオカイトが、強い風を受けて右や左に大きく回転する ことがあります。この現象を水汲み運動といいます。こんな動きがあったと思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。

上空は風が強い場合が多く、縦長のバイオカイトは特に水汲み運動をよく起こします。
上空の強い風を受けたバイオカイトが、水汲み運動を発生すると回転したり、左右に大きく振れたりして、高度が下がり始めます。

一定の高度に下がり、風が弱くなると、水汲み運動もおさまりますが、風が絶えず強い場合には、墜落してしまう事になります。

●対策として
水汲み運動が発生しバイオカイトが回転し始めたら、前進しながら糸を少しずつゆっくり巻き戻し高度を下げてみてください。バイオカイトにかかる強い風が、揚げ手の前進により弱くなり、水汲み運動がおさえられます。

第005号 糸の選び方

今回のテーマは、糸の選び方です。 凧揚げをする場合、糸はとても大事な部品です。

一般的な凧糸は太くて風の抵抗が大きく、上空に繰り出された糸が横風に流される力が大きい場合には、上空に舞い上がろうとするバイオカイトの力より勝ってしまい、バイオカイトは横に流されてしまいます。

つまり、バイオカイトを高く揚げたい場合は、糸はできるだけ細いものが望ましいのです。

当社で標準仕様の専用糸として発売しています#60(OP002)は初心者の方には細くて切れにくい優れた糸ですが、バイオカイトに慣れてフライトテクニックに自信のある方は、さらに細い#100(OP003)をお勧めします。500mのビッグフライトには最適です。

*当社の専用糸を他の凧やカイトには決して使用しないでください。
バイオカイトのフライト専門に設定していますので、他の凧やカイトに使用した場合は、切れる恐れがあります。

第006号 低空域での飛行について

今回のテーマは、「低空域での飛行について」です。

通常、低空域(地上50m位)では障害物などの影響で、気流が乱れているためバイオカイトのテイクオフ(飛び立ち)、ランディング(着地)ともに不安定な状態になります。

つまりこの低空域でのフライトテクニックがバイオカイトの飛行技術の70~80%を占めているといっても過言ではありません。

まず、低空域でフライトさせる場合は、カイトから目を離さないでください。高度に余裕がないため、この高さで激しい水汲み運動(カイトが回転してしまう)を起こすと墜落の可能性があります。水汲み運動などの運動を起こし始めたら、

1.テイクオフ時であれば、糸の送り出しを一旦止めて前進しながら水汲み運動がおさまるかどうか様子を見てください。もしおさまらない場合には前進しながら糸を巻き戻してください。カイトを一旦降ろして再度糸目の調整を行なって下さい。

2.ランディング時であれば、糸の巻取りをやめて水汲み運動がおさまってからゆっくり巻き取るか、前進しながらゆっくり巻き取るようにしてください。ただし、これらの動作は、カイトの動きから目を離さずに適宜行なって下さい。

また、初心者・初級者の方にとって、この不安定な低空域をいかに早く突破して安定した風の吹いている高度にたどりつくかが大事なポイントとなります。低空域をいち早く突破する方法として次の方法をお奨めします。

1.風を背にして、リールから糸をどんどん送り出して、糸が20m位になるまで伸ばします。このときバイオカイトはあまり高く揚がらず横流れします(斜めの方向に揚がってしまっています)。

2.糸を20m送り出したあと糸の送り出しを一旦止めてください。しばらくするとバイオカイトの上昇角がだんだん大きくなり、さっきまでは斜め方向へ揚がっていたバイオカイトが頭上付近で飛行するようになります。

3.上昇角が大きくなったら糸をさらに20m位のばしてください。するとバイオカイトは横流れをはじめます。

この繰り返しが、速く確実に低空域を突破するこつです。慣れてくると、低空域で気流の乱れを利用して色々なアクロバティックな飛行を楽しむこともできます。

第007号 海岸でバイオカイトを飛行させる場合

今回のテーマは、「海岸でバイオカイトを飛行させる場合」です。

特に、陸から海に向けて風が吹いている場合のバイオカイトの操作についてご説明します。

陸から海に向けて風が吹いている中でバイオカイトを飛行させるとバイオカイトは海へ向かって流れ、海上を飛行することになります。

海上を飛行する場合は、航空機の飛行航路に関係なければ、障害物もなく遠慮なく高く上げられ、ビッグフライトが楽しめますが、同時に下手をするとバイオカイトを海中に墜落させる可能性もあります。

そこで、バイオカイトを海上で飛行させる場合は、次のことに注意すると安全に海上飛行が楽しめます。

1.風上に障害物がないかを確認する。もしあれば、風上に何もないポイントに移動するか、無理であれば、障害物の高さよりも高い高度を海上に出る手前の海岸上で取り、様子を見てください。

風の影響でバイオカイトが片方に傾いたり回ったりしていないことを確認して、ゆっくりと糸を伸ばしてください。
(このとき一度に糸を繰り出すのではなく、ブレーキをかけながら 糸を伸ばして下さい。)

2.海上に出たカイトは、上昇しながら沖の方へ糸を繰り出した分 流れていきますが、このときなるべく糸を緩やかに送り出ししてく ださい。

また一気に糸を伸ばすとバイオカイトは上方へ上がらず横流れしてしまいます。海上飛行の基本は、海岸線により近いポイントでより高くということです。

つまり、急いで糸を伸ばしたために、カイトの横流れによって、高度を稼げずに、海岸から遠くなることは是非避けてください。

3.海上で飛行させる場合は、30~50m程度ごとに一旦糸の送り出しを止めて、カイトが水汲み運動を起こさないかどうかを見てください。これらの確認動作を行いながら、飛行させると、カイトは海上で安定して飛行を続け、機種にもよりますが、簡単に500~700m程度の高さに到達させることができます。

ただし高い高度になると風が強くなり、バイオカイトの設計風速を超える風が吹いていることがあります。この場合はバイオカイトが羽をすぼめて2つ折れの状態になり、高度をさげたり、大きな円を描いて回転して高度を下げることがあります。

このときは、前進しながらゆっくり糸を巻いてください。バランスを崩さない高度を維持するために伸ばしすぎた糸を巻き取ることが必要ですが、あわてたあまり、後退しながら糸を急に巻き取るような操作をすると、カイトが受ける風圧が逆に強くなり、墜落の原因となります。

4.ランディング(着陸)時は、フライヤー(揚げ手)が立つ位置が重要です。糸を巻き取る場合、テイクオフ(飛び立ち)とは異なり、カイトにかかる風圧が大きくなります。巻取りをはじめたときに、巻取りによって生じる余分な風圧のためにカイトがバランスを崩して回転をはじめたら、すぐに前進して糸の張力を弱める必要があります。

つまり、海岸線ぎりぎりに立ってカイトを揚げていると、前進するスペースが取れないため、カイトが上昇し高度が取れたら、少しずつ後ろに下がり、ランディングのための前進スペースを確保しておきましょう。

5.海上での飛行はバイオカイトの状態を見ながら、前進したり、後退したり、糸の張力を緩めたり、強めたりが自在にできた段階で、挑戦することをお奨めします。

海の上での飛行は、上記の飛行テクニックと知識が絶えず要求され、トラブルが起きてもあわてず、高度を落とさずにバイオカイトを海岸線上に寄せてくることが必要なのです。

第008号 バイオカイトの飛行姿勢(迎角)

今回のテーマは、「バイオカイトの飛行姿勢(迎角)」です。

バイオカイトは普通の凧と異なり、飛行機の飛行原理を採用し揚力を利用して飛行することは、すでにご存知のことと思います。

しかし、揚力をうまく利用して安定飛行しようとすると、飛行姿勢(迎角)が大事な要素となります。

飛行姿勢とは、バイオカイトが、通常、風に向かって飛行する際に、ほんのわずか、頭をもたげた(持ち上げる)状態で飛行する姿勢のことを指します。この角度が大きすぎると失速状態となり、墜落します。

また、頭をもたげる角度が小さすぎると、微風ではなかなか上昇せず、飛ばすのが難しくなります。

これらは、糸目調節により適度な飛行姿勢をとるように調節されるのですが、この糸目調節こそが、バイオカイトの性能を引き出す原点ともいえる大事なポイントなのです。

多くのモデルは、横梁と背骨の交点あたりに糸目位置を設定すると安定して飛行します。

したがって最も簡単な調整方法は、横梁と背骨の交点に糸目位置を設定し、3mから5m程度バイオカイトを飛ばして飛行状態を確認しながら、糸目位置の最適点の微調整を行います。

糸目位置を尾翼寄りに設定しすぎると、尾翼の形状が変形細くなってしまいます。この場合は明らかに糸目位置が尾翼寄りにより過ぎてバイオカイトが息切れ寸前の状態で飛行しています。この変形が見られる場合は、糸目位置を頭部寄りにスライドさせる必要があります。

また逆に頭部寄りに糸目位置を設定しすぎると、水汲み運動(頭を左右に振るか回転する運動)が発生し墜落することがあります。この場合は糸目位置を尾翼よりに少しスライドさせると姿勢が安定します。

このように飛行状態を見ながら、糸目位置を調整する方法もあります。
バイオカイトはいろいろな種類があり必ずしもすべての機種が、横梁と背骨の交点付近に糸目位置を調整すれば、最適点となるものではありません。

白鳥やなどのプテラノドンのような首長のバイオカイトは糸目位置はやや頭部寄りに設定し、カブトムシなどの虫シリーズは、やや尾翼寄りに設定すると安定するケースが多いため、バイオカイトに慣れてこられた方はバイオカイトの飛び方や変形の状態を見ながら糸目位置を調整してみてください。

バイオカイトが揚力をうまく利用して飛行しているときの姿は変形がなく美しいものです。変形なくバイオカイトを飛行させることができれば、それは一歩上達の証です。

第009号 バイオカイトのフライト練習方法について

今回のテーマは、「バイオカイトのフライト練習方法について」です。

「バイオカイトの揚げ方についてどのように練習したらよいでしょうか」とのご質問をいただくことが多いため、少し練習方法についてのコツを解説します。

バイオカイトの特徴といえばまず、そよ風でぐんぐんと上昇することです。このきわめて弱いそよ風が吹く中で何度もあげたりおろしたりすることが、基本練習中の基本といえるものなのです。

わずかな風をキャッチしてチャンスを逃さずバイオカイトを風に乗せる練習は、この環境をおいて他にはありません。

よい風が吹く一瞬のチャンスをものにして、バイオカイトを風に乗せることができるようになると、くせのある風が吹く中でも、バイオカイトを大空高く揚げることができるようになります。

風がほとんどない状態のなかで、バイオカイトを揚げることになったら、是非、練習のチャンスと思い、何度もチャレンジしてみてください。上達は、間違いありません。

第010号 バイオカイトを選ぶ際の形と性能について

今回のテーマは、「バイオカイトを選ぶ際の形と性能について」です。

凧揚げは、なんと言っても、風まかせです。風がまったくないといかなる凧も飛びませんし、風が強すぎても、飛ばないだけではなく、破損することがあります。

凧を上手に揚げるための一番の基本は、風を読むことにあります。ただし風を読むという作業は奥が深く、到底ワンポイントレッスンで書き切ることはできません。しかしながら今回は簡単に、風が強いか弱いかというレベルでの風とバイオカイトの関係を説明いたします。

飛行機の形を注意深く見ると、ジェット機とプロペラ機の主翼の形が違うことにお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか?(今はプロペラ機が減ったのでなかなか比較する機会は少ないでしょうが・・・)

ジェット機は後退翼といって、胴体から斜め後ろのほうへ傾斜して主翼が取り付けられています。一方、プロペラ機は楕円翼といって、胴体から、直角に主翼が取り付けられています。

飛行機の速度と翼の形は、密接な関係があります。速度の速いジェット機は気流の速い(風の強い)状態の中で飛行するために後退翼という形状が必要です。一方プロペラ機は、ジェット機に比べて比較的気流の遅い(風の弱い)状態の中で飛行するため、楕円翼という形状が必要です。

これは鳥も同じで、トビを例に取りますと滑空中のトビは楕円翼(プロペラ機)の形で滑空していますが、獲物を攻撃するときの急降下の姿勢は、翼端に急な角度をつけた後退翼(ジェット機)の形になっています。

つまり、バイオカイトのデザインを選ばれる時に、風との関係を考えて、微風に強いタイプ(楕円翼タイプのトビや三色ゼミ)強風に耐えるもの(後退翼タイプのプテラノドン、ハヤブサやトラ、オオカミ)その中間のもの(ユリカモメ、ファルコン、フクロウなど)を選んで揚げると、「昨日うまく飛んだカイトが今日はうまくいかなかった」ということも減ってくると思います。

第011号 バイオカイトの上半角について

今回のテーマは、「上半角について」です。

バイオカイトを頭部から見ると、主翼が翼端に向かってやや斜め に角度が付いているのがわかると思います。この角度を「上半角」といいます。

この角度は、バイオカイトが安定して飛行するためにとても必要な条件のひとつです。

上半角を限りなく180度に近づけていくと揚力は、それにつれて大きくなりますが、安定性が悪くなり墜落する事が多くなります。

逆に、上半角を大きく取っていくと、安定性は増しますが、揚力は次第に落ちてゆき上空に上がろうとする力が減少します。

現在、標準で販売しておりますバイオカイトは、やや上半角を大きくとり、初心者の方が安定してあげていただけるように設定しております。

初心者の方で、白色チューブのばね受けを途中の部分で曲げてしまい、ばねがチューブの途中で止まってしまった場合は、この上半角が水平に近くなり、墜落することがありますので、飛ばす前に確認しておくと安心です。

少し、バイオカイトになれた方は、ばねを少し長いものにして上半角を小さくして、揚力を稼ぎ、ビッグフライトに挑戦されてはいかがでしょうか?
また、ばねの強さと長さを風に応じて選び、φ0.8の弱いばねからφ1.2の強風用まで、使いこなせるようになったら間違いなく今までよりワンランク上のフライヤー(揚げ手)になっていることでしょう。

このレベルのフライヤー(揚げ手)は、バイオカイトを墜落させることは、ほとんどありません。他のフライヤーが悪戦苦闘している環境下でも、大空にバイオカイトを飛行させることができます。

なお、ばねの素材につきましては、弊社ホームページ上にありますGFRPの欄をご参照ください。

第012号 リールの使い方について

今回のテーマは、「リールの使い方について」です。

バイオカイトのオプション商品として弊社から、発売されているものは、標準リール(回転比率1:1)と高速リール(回転比率1:5)の2つのタイプがありますが、いずれも糸巻きがサオの先端に対して横回転するスピニング式と呼ばれるタイプではなく、縦回転するタイプのものを使用しています。これには、理由があります。

高空に舞い上がったバイオカイトを巻き戻すには、リールは必需品 ですが、実はリールには他にも大事な役割があります。

わずかな風をうまくつかまえて、バイオカイトを風に乗せるために、糸の送り出しをすばやくスムーズに行う必要がありますが、リールを使用することで、フライトチャンスをつかまえやすくなるのです。

つまり、リールはバイオカイトの性能の大事な一端をになっている のです。

そこで、先ほどの縦回転するタイプのリールを使用する理由ですが、バイオカイトをうまく飛行させるということは、別の言い方をすると、うまく風をつかまえて風に乗せるということになります。

風は、一般に呼吸をしているように、強くなったり、弱くなったり向きが変わったりしていますが、これらの状態の中で、わずかなフライトチャンスをつかまえて確実にバイオカイトを飛行させるためには、風をカイトフライヤー(揚げ手)が感じなくてはなりません。

風をどこで感じるか・・・?それが、フライヤーが持つリールのスプール(回転部分)を押さえる指先なのです。

バイオカイトが風を感じると、揚力を発生して上昇しようとすることは、すでに何度も説明していますが、そのとき糸の引きが強くなります。

スプール(回転部分)に指をかけていると、この糸の引きを感じることができ、フライトチャンスをつかまえやすくなります。

第013号 8の字飛行などの曲技飛行について パート1

今回のテーマは、 「8の字飛行などの曲技飛行について」の第一回目です。

以前バイオカイト情報誌No.031に「バイオカイトの飛行姿勢(迎角)」の項で、糸目の調整方法について、ふれたかと思いますが、今回も糸目調整が、話の中心になります。

8の字飛行をする場合、糸目中心は安定点(多くのバイオカイ は背骨と横梁の交点付近)よりも”頭部より”にセットすると8の字飛行をします。

この8の字飛行は、バイオカイトの糸目中心が安定点より距離が 離れるほど、大きな運動となりますが、あまり大きくとりすぎると 墜落することになります。

どの程度大きく取れるかは一度ご自分のバイオカイトで試していただきたいと思います。

また、8の字飛行を行う場合は、バイオカイトを不安定な状態で飛行させることになりますので、気流の乱れる低空域での飛行はテクニックを要しますが、50m程度の高度が取れると8の字飛行をしながらところ狭しと飛び回ります。

初心者の方は、糸目中心を、安定点にセットして飛行させること をお薦めしますが、バイオカイトの飛行になれた方は8の字飛行にチャレンジしてみてください。

低空で墜落させずに、いかに50m程度の高度に到達させるかが、ポイントです。何度もトライしてみてください。

次回は「8の字飛行などの曲技飛行について」の第二回目をお送りします。内容は、8の字飛行を行うための低空での飛ばし方です。

第014号 8の字飛行などの曲技飛行について パート2

今回のテーマは、「8の字飛行などの曲技飛行について」の第二回目です。

本日のワンポイントレッスンでは、8の字飛行を行うための低空での飛ばし方を少し説明させていただくことにします。

8の字飛行を行うときは、風の状態により飛ばし方が異なります。
風速1.5m~3m/秒までの比較的弱い風の時は、リールのスプール(糸巻き部)に軽く指をかけ、ブレーキをかけながら、30m程度糸を伸ばした後、送り出しを止めてバイオカイトの様子を 見てください。

左右に大きく振れすぎて墜落しそうであれば、いったん糸の送り出しをフリーにすると、バイオカイトの振れは止まりますので姿勢を立て直したあと、前進しながら、糸をゆっくり巻き取ってください。
着陸したら、糸目を安定点にやや近づけてもう一度やり直してください。

風が3m/秒以上吹いているときは、風上に立ち風下のスペースを十分取っておき、糸を一気に伸ばしてください。このとき、バイオカイトは、上昇せず地面に平行に横流れします。
この状態で30m程度我慢して糸を伸ばし続けてください。

30m程度糸が伸びたら、リールのスプール(糸巻き)に軽く指をかけ、スプールの回転にブレーキをかけて下さい(回転は止めずに、回転速度を落とす)。
バイオカイトは上昇をはじめると同時に左右に大きく振れ始めます。

糸を30m程度送り出したあと、送り出しにブレーキをかけて、 バイオカイトの振れの状態を見極めることが、8の字飛行がうまくいくかどうかの分かれ目になります。

左右に大きく振れながら、墜落しそうになったら、スプールのブレーキをゆるめて、最初と同じフリーの状態にすると、 バイオカイトの左右の振れがおさまります。

一旦、姿勢を立て直して、前進しながら、糸をゆっくり巻き取り、着陸後、糸目をやや、安定点寄りにスライドさせて、再度揚げてみてください。

また、左右に触れても墜落しそうでなければ、スプールに軽く指をかけた状態で50m程度糸を伸ばしたあと、糸の送り出しを止めて様子を見てください。

きれいな8の字を描いて飛んでいれば、バイオカイトの飛行テクニックが一歩前進です。この8の字飛行が完全にマスターできると、この糸目位置でさらに、いろいろな飛行が可能になります。

バイオカイトの上級飛行テクニックの基本は8の字飛行にありますので、何度もトライしてみてください。

第015号 バイオカイトの飛行不良の際の対策

今回のテーマは、「バイオカイトを揚げたときに回転したり、傾いて墜落し上手く揚がらない場合の対策」です。

回転したり、傾く原因はいろいろありますが、大体次の点に整理されます。

<回転や傾きの原因>
①V骨と背骨の交点がずれたり、はずれている。
②横梁の両端のいずれかもしくは両方がはずれている。
③横梁が左右対称に取り付けられていない。
④背骨が曲がっている。
⑤ばね受けの折り曲げ方向が左右でずれている。
⑥シートの片側にしわが入ったままフレームが取り付けられている。
⑦全体的に左右不対象に作られている。

回転した場合の原因が上の工作上のものであれば、骨を左右均等につけるか、ばね受けの折り曲げ方向を左右対象にすれば修正可能ということになります。

これらの作業が、凧揚げの現場でできない場合は、応急処置として回転したり傾く方向の逆の翼端にテープもしくは紐を貼り付けると修正できます。

また、回転は、尾翼にテープや紐をつけることでも修正できます。テープや紐の長さは、飛ばしながら調節することが必要です。

そして、傾きや回転の原因チェックは、まずバイオカイト中央部の背骨、V骨、ばね受け、横梁の両端部の剥離の有無、横貼の左右対称性などから始めてください。

最近の不織布製シートのバイオカイトは、安定性が向上しておりますので、修正テープや紐はあまり長く取る必要はありません。

第016号 何人かでバイオカイトを揚げる場合の揚げ方

今回のテーマは、「バイオカイトを何人かでバイオカイトを揚げる場合の揚げ方」です。

凧揚げ大会などで、凧を揚げていると決まって起こるトラブルの第一位は、他の凧と自分の凧の糸がもつれてしまうことでしょう。

フライヤー(揚げている人)の技術レベルにもよりますが、風の流れを無視して走ったり、糸目の調整が悪く上空で凧が横に走ったりすることで、安定している凧の糸を引っ掛けてもつれてしまうことが多く、一旦このトラブルが起きると適切に対処しないと、糸を切ったり凧を墜落破損させたりしてしまいます。

そこで、今日はバイオカイトを、限られたスペース内において、複数のフライヤーで揚げる場合の揚げ方についてのポイントを整理しておきます。

1)まず、糸目を安定位置にセットします。(多くのモデルは横梁と背骨の交点あたりが目安)
2)風を背中で受けて、横一線に肩が接触する程度に並んで立ちます。
3)端の方から50m以上あがってから順番に揚げていきます。 (気流の乱れの少ない50m以上の高度が安全です。)
4)揚げる際には、糸を一気に30m程度リリースして(ブレーキをかけずに)、その後ゆっくり指で、リールのスプール(糸巻き)にブレーキをかけながら50m以上の高度をとってください。
5)気流の良い上空で糸目が安定位置にセットされたバイオカイトはあたかも変体飛行をしているように並んできれいに飛行します。
6)万一、隣のカイトともつれた場合は、慌てずに隣の人のリールと自分のリールの距離をさらに近づけると、糸のもつれ(交点)がリールのそばに近づいてきます。このもつれの方向をよく見て、リールの位置を入れ替えてもつれを解消してください。簡単にもつれはほどけます。

第017号 バイオカイト用専用リールと糸について

今回のテーマは、「バイオカイト用専用リールと糸について」です。

よく、e-mailなどで、「バイオカイトの糸は大変細いので、すぐに切れませんか?」という質問を受けます。

以前にも触れたと思いますが、バイオカイトは空高く飛行させるために抵抗となる糸の太さを可能な限り細くしています。 そして、その細い糸でも切れないように、バイオカイト本体にスプリングをつけて、過度の風圧を受けた場合は、翼が後ろ側に湾曲することで風圧を逃がす構造になっています。
このため、バイオカイトは細い糸を使用しても切れることなく、糸の抵抗を極力減らした状態で高高度に舞い上がることができるのです。
ところで、この細い糸は、通常の凧糸と比べると強度は弱いため、木の枝や枯草に引っ掛けて、無理に引っ張ると、やはり切れてしまいます。

ビギナーの方が揚げるときは、木や枯草のないところで、揚げる事をお奨めします。
また、リールを使用し巻き取るときに、カイトにばかり気を取られて、糸がたるんだ状態で巻き取ってしまうと、リールの巻き取り部分でもつれてしまいます。 巻き取りの際には、絶えず糸に張力を掛けて巻き取るようにして下さい。
カイトが墜落して、糸を回収する場合は、巻き取り部の手前で糸を軽くつまんで糸に張力を掛けながら巻き取ると、もつれは生じません。

どうしても、専用糸が切れてしまうという方は、凧糸を使用してください。 バイオカイトは凧糸でも飛行します。
ただし、糸の抵抗が大きいため、到達高度が低くなり、横流れします。 凧糸で、慣れてきたら、再度専用糸にしてみてください。 上昇角、到達高度ともかなりの差がはっきりと現れることと思います。

第018号 発泡PS製の尾翼フレーム、前縁が折れた場合の処置について

今回のテーマは、「発泡PS製の尾翼フレーム、前縁が折れた場合の処置について」です。
この処置についても、よくご質問いただくことが多いので、今回のワンポイントレッスンでお応えすることになりましたが、結論から言いますと、折れたままでも飛行にはあまり影響が出ません。
ただし、尾翼部などが切れてしまった場合は、形状が保てなくなり、変形してしまいますので、切れた部分の上に補強として発泡PSシートを重ねて貼ることが必要になります。

特に、尾翼で発泡PSが切れた場合は、放置すると、回転墜落の原因になる場合があります。また、前縁についてですが、バイオカイトが飛行するために必要な揚力をもっとも発生する部分になりますが、発泡PSが折れた程度ではほとんど影響はありません。

どうしても、気になる方がおられましたら、左右ともに貼りかえられることをお奨めします。
もし、発泡PSが手元にない場合は、部品の購入ページに「発泡PS:B-010」がございますのでこちらをお使い下さい。

それでは、前縁を貼り合わせするのを忘れた場合はどうなるでしょうか・・・・・?貼り忘れが左右対称である限りは、それでもバイオカイトは飛行します。 ただし、上昇角が小さくなり、あまり高く飛ばないか、飛行がやや不安定になります。

発泡PSのフレームについては、折れたり切れたりするなどの欠点がありますが、その反面、軽さや作業性にバイオカイトの製作上非常な利点があるだけではなく、バイオカイトの安定性に大きく寄与しています。
さらに、皆様のご要望にお応えし、より良い製品作りを求めておりますが、発泡部材についての取り扱いにつきましては、前述のようにご理解いただければと思います。

第019号 バイオカイトの揚げ方のおさらい(No.1)

今回のテーマは、「バイオカイトの揚げ方のおさらい」です。
以前にも揚げ方について何度か説明を行いましたが、今回は、ビギナーの方を対象にもう一度揚げ方の基本について説明します。

バイオカイトを揚げる場合、まず糸目の調整が必要です。現場で、バイオカイトのバネを連結し、尾翼のマジックテープを貼り合わせたら、糸目の位置を背骨と横梁の交点付近にセットしてください。(多くのモデルはこのあたりが安定飛行位置)バイオカイト本体とリール側の糸をゼムクリップかより戻しを介して連結したら、1m位糸を伸ばして、飛び方を見てください。
頭を左右に振ったり、回転したりする場合は、糸目の位置を少し下げてください。この時、糸目位置を一気に下げないで1~2mm 程度ずつ移動させてみてください。 下げすぎると、失速して墜落します。
このようにしながら、糸目位置が決まると、糸を30m位伸ばしてみましょう。

糸の伸ばし方は、2つの方法があります。
1)30m位まで、一気に糸を伸ばして地面に平行に横流れさせ、その後糸の送り出しを止めてバイオカイトを上昇させる方法
2)糸をゆっくり送り出してバイオカイトの上昇角を保ちながら、糸を伸ばす方法があります。

どちらでも良いのですが、ビギナーの方は、2)の方法が無難でしょう。
いずれの方法にせよ、30m程度の高度に なったら、一旦糸の送り出しを止めてバイオカイトの様子を見てみましょう。
安定していれば、同じ方法で50mまで揚げてみてください。
その高度でも安定しているようであれば、さらに100m程度の高度まで揚げてみましょう。
あとは、30~50mピッチで糸の送り出しを止めて様子を見ながら高度を取ってください。
また、30mの高度で不安定であれば、もう一度糸を巻き戻して、糸目の再調整をしてみてください。

一般に、30~50mの高度までの低空域は気流が乱れていることが多く、この範囲ではバイオカイトは、糸目が正しい位置にセットされていても気流の影響を受けて不安定な飛び方になりますが、糸目の位置に間違いがないか、気流の影響を受けているのか、製作に問題がないかを確認する意味でも、糸を巻き戻して糸目位置等の再確認と調整をお奨めします。

これらの調整をしてもなお、不安定であれば糸目位置をさらに1~2mm尾翼寄りにずらして飛ばしてください。
糸目位置の問題から起こる飛行不安定は、大抵の場合はこれで収まります。
また、これらの確認を行って異常がないのに不安定飛行をするような場合は、カイトを揚げる場所を変えることも有効です。

風上に障害物がある場合は、舞い風になることが多く、このような環境では、どんな性能の良いカイトも飛びません。
また、周囲に建物や電柱のない広場や海岸の場合は、50m位まで糸を伸ばしてみて様子を見るのも良いでしょう。
高度が50mくらいになると気流の乱れも少なくなり、カイトは安定飛行します。

バイオカイトの飛行テクニックは、極論すると低空域での飛ばし方が大半を占めているといっても良いでしょう。
この点は、飛行機が離着陸に大きな注意を払うのと全く同じです。

第020号 バイオカイトを外へ持ち運び、取り出す際の取り扱いについて

今回も、前回に続きビギナーの方を中心にしたおさらいです。
前回の内容と前後してしまいますが、バイオカイトを海岸や公園などへ持ち運び、取り出される際の取り扱いについて説明します。

まず、キャリングケースなど梱包されている箱から、2つ折りになったバイオカイトを取り出すとき前に、風向きを見てください。 風向きがわかれば、風を背にして(風をさえぎるように)風下側にキャリングケースを置き、バイオカイトを取り出してください。
その際に、バイオカイトは必ず、頭部を風上に向けて取り出しバネを連結してください。
バイオカイトを含めて凧は、表側は風に強くできていますが、裏側は弱いため(傘と同じと考えてください)風向きに注意を払うことは大切です。

バイオカイトを揚げ終わり、キャリングケースにしまうときも同じ要領で行ってください。

また、風の説明を行ったので、もう少し風についての説明を続けさせていただきますが、ビギナーの方にとってもっともバイオカイトを練習するのに適した風の吹く季節は、秋であろうと思います。
強くもなく弱くもなく、適当な上昇気流が発生しやすい秋は、文字通り最高の凧揚げシーズンといっても過言ではありません。

冬の強い風で飛ばすよりも心地よい秋のシーズンに飛行テクニックを磨き、冬の風に挑戦されると今までとは違う醍醐味が味わえると思います。

第021号 ねじれ風が吹いた場合の対策

今回のテーマは、「ねじれ風が吹いた場合の対策」です。
バイオカイトを揚げたい日にいつでも、風がまっすぐ吹いてくれれば良いのですが、なかなか思ったようなコンディションにはなってくれません。
そこで、今回はせっかくの休日にバイオカイトを揚げに行った場所で、ねじれ風が吹いていたらどうすればよいかというテーマを取上げてみます。

ねじれ風の原因は、
①台風などによる場合
②風上に障害物があり、風下側で風がねじれる場合
③扇風機などの風の場合
などが考えられますが、台風の影響の残る環境や扇風機が発生させるねじれ風は、バイオカイトの飛行テクニックで解決できる問題ではありませんので、除外します。

さて、揚げようとする場所で、どうしてもバイオカイトが傾いて墜落してしまうという場合は、まず、その原因の見極めが重要です。ある高さまで揚がると傾いて墜落するという場合は、風上を確認し、障害物がないかを確認してください。 もし、障害物があれば、凧揚げの場所を変えて、バイオカイトを30m位揚げてみます。

その高さで、さらに傾く場合は、もう少し糸を伸ばして50m位の高さで様子を見てください。
これらの確認を何度か行うと、バイオカイトの墜落が風によるものか、カイト本体に原因があるものかが判ります。
つまり、50m以上の高さでは障害物の影響から生じるねじれ風は少なく、(高層ビルが立ち並ぶ場所は別)きれいな風が吹いていることが多いため、この高さで安定すれば、カイトに原因があって墜落したのではないと考えてよいと思います。

風とカイトの関係についての説明は、いろいろとあり細かく説明 すると紙面が尽きてしまいますので、要約すると、
①風上に障害物 のない場所を選ぶ
②風が原因かカイトが原因かを調べる
③風が原因である場合は、ねじれ風の影響を受けない高度(50m)程度まで揚げ様子を見る
(この場合は、50mまで揚げるのに少しテクニックが必要です。

以前にも説明したかとは思いますが、30m程度まで糸を一気に伸ばしその後少しリールの糸巻き部に指でブレーキをかけながら高度をとると50mまで安全に揚げられます)この高さで、問題なく揚げられればどんどん高度を取っていって下さい。
ただし、電線や道路などが側にあるところでは、あまり高く揚げないでください。
バイオカイト特有の豪快なビッグフライトを楽しむには、やはり海岸がお奨めです。

第022号 初級テクニックを マスターされた方を対象、上反角について

今回のテーマは、「バイオカイトの糸目調整や低空時のコントロールなど初級テクニックをマスターされた方を対象、上反角について」です。
ご購入されましたバイオカイトは、通常やや深く上反角を取っています。
これは、初めての方でも簡単に揚げられるように、安定性を優先しているためですが、バイオカイトの飛行の基礎をマスターされた方は、上反角を水平に近づけるほど(バネを標準のものよりあと3~5ミリ長いものを使用する)揚力が増え、上昇角が大きくなります。

やや長めのバネは、弊社ホームページの保守パーツの中からお買い求めいただき、適当な寸法に切断してご使用いただくか、最寄の東急ハンズなどの材料売り場でピアノ線などのバネ性のあるものを お買い求めいただく必要がありますが、更なる性能アップに挑戦したいと思われる方にはぜひお奨めです。

また、糸は#60(OP002)が標準ですが、さらに細い#100(OP003)を使用すると、風の抵抗が減少し、上昇角が増すとともに到達高度も高くなります。
ただし、上反角も180度に近づくほど、飛行が不安定になるため、バネの長さにすると、現行の100mmよりやや長い103~105mmがちょうど良い長さかと思います。

もっと、上反角を水平近く取りたいという方は107mm程度までは可能かと思いますが、揚げるのが難しくなります。
また、#100(OP003)の糸は、通常の飛行では切れる心配のない糸ですが、(筆者はいつも#100を使用し、1年間同じものを使い続けて糸切れはない)バイオカイトに強い風が当たる中で、極端にさおを強く引いたり、木などにカイトが引っかかった状 態で強く引くと、#60の糸よりは細い分切れやすくなります。

ですから、ある程度飛行中のバイオカイトの様子を見て、さおを押したり引いたり、リールを巻き戻したり、のばしたりしながら糸の張力の調整、ひいてはバイオカイトのコントロールができると思われる方にお試しいただきたい調整法です。

細い糸とより小さな上反角は、バイオカイトの性能をフルに引き出します。
うまく、調整すると性能アップは間違いありません。

第023号 無地シートのバイオカイトキットについて

今回のテーマは、 無地シートのバイオカイトキットを購入されたお客様が、インクジェットプリンターを使用されずに、絵の具や油性マジックなどでバイオカイトのシートにデザインされる場合の注意点についてです。

バイオカイトが飛行機と同じ飛行原理で揚力を利用して飛行することは、既に述べたとおりですが、この場合、全体の重量に大きな制約があります。 すなわち、重くなると飛ばすことが難しくなるということです。

現在、市販されているフクロウ、ユリカモメ、ファルコンなどの鳥タイプのバイオカイトは重量が10~11g程度になっていますが、この重量をどんどん重くしていくと、やがて飛ばすことができなくなります。

無地のシートでバイオカイトを製作し、オリジナルのペインティ ングをされる場合は、この重量について十分に配慮して、ペインティングしてください。 また、ペイント 塗料は、油性のマジックであれば、重量はほとんど増加せず問題がありません。 そのほか、色鉛筆なども無難でしょう。

ポスターカラーなどで鮮やかな色を出したい場合は、部分的にペイントされることをお奨めします。また、部分的にペイントされる場合は、なるべく胴体部を中心にしてペイントされると良いでしょう。

翼端部は、あまり重くなると不安定になりやすいので注意してください。
今回のバイオカイト大会で、自作のバイオカイトを持参された参加者の方が多くおられましたが、ほとんどが重量を意識して見事にデザインされており、感心した次第ですが、大会中に、クレヨンでペイントしてはだめですかとの問い合わせを受けました。

クレヨンでも部分的にペイントされるのであれば良いと思いますが、かなり重い素材であるため、多用することはお奨めできません。

バイオカイトの飛行原理が理解されてくると、だんだんとお手持ちのバイオカイトを改造して、自分流のバイオカイトに仕上げられる方が増えてこられるかと思いますが、左右対称と重量増を極力控えるという原則を踏まえて工作されると良いでしょう。

第024号 リールの使い方について

今回のテーマは、リールの使い方についての解説です。
リールの使い方については、「012 リールの使い方について」 で詳しく説明しましたが、今回はその追加版になります。
初めて、バイオカイトをご注文いただくお客様から「高速リールと標準リールの2種類が販売されていますが、どちらを選べば良いのでしょうか?」というご質問があります。そこで、今回は標準リールと高速リールの違いを説明することにします。

標準リール(OP001ST)と呼ばれるリールは、リールの回転部(糸の巻き取りをするドラム)とハンドルの回転が1:1の比率で糸の巻取りを行うタイプです。 つまり、巻き取り時にハンドルを一回転すると、ドラムも一回転 して糸を巻き取ります。

それに対して、高速リール(OP0015ST)は回転比率が 1:5であるため、ハンドルを一回転すると、ドラムが5回転するため、その分巻取りが早く便利です。

これだけの理由を見ると、誰でも高速リールが本命のように感じられるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。 ビギナーの方は、リールとバイオカイトの両方に慣れる必要があり、とりわけバイオカイトが上空で、水汲み運動やヨーイングあるいは何かトラブルが生じた場合、ほとんどのビギナーの方があわてて糸を巻きながら後ろに下がります。

以前にも説明させていただきましたが、バランスを崩したバイオカイトを立て直すのには、バイオカイトにかかる風の負荷を弱めるのが有効であるのですが、前述の動作、すなわちあわてて糸を巻きながら後退するとバイオカイト本体に逆に強い風を当てることになり、ますますバランスが崩れてしまいます。

このときに、高速リールを使うとまず間違いなく、墜落という憂き目に遭われることになると思います。
一方、標準リールは巻き取りスピードが遅いため、あわてて巻いてもそんなにバイオカイトを強い風にさらすことはありません。 ですから、弊社ではビギナーの方には、標準リールをお奨めしています。

バイオカイトの飛行に慣れて、いろいろな動作がマスターされた方は、高速リールで存分にテクニックを発揮いただくという段階を踏んだご購入をお奨めしています。 高速リールを現在ご使用の方も、ぜひこの点を注意してご使用く ださい。
高速リールは、巻き取りは確かに速く、便利で楽チンですが、トラブル時にあわてて高速で巻き取ると大切なカイトを墜落させる原因にもなります。

第025号 バイオカイトと到達高度について

バイオカイトをご購入の皆様の中からいただきます多くの質問の中で、最も多い質問のひとつが、「バイオカイトはどれくらい高くあがりますか?」という質問です。 今回は、バイオカイトと到達高度について説明します。

バイオカイトの到達高度は、当然のことながらデザインによって大きく異なります。
トラやオオカミなどの縦型のカイトは、強風に強く誰でも、飛ばすことのできる安定性の高いカイトですが、上昇角は他のバイオカイトに比べて、少し小さくやや横流れします。 したがって、到達高度は他のものに比べてやや低くなります。筆者の経験では、到達高度は約250m程度であったように思います。

ユリカモメやファルコンなどの初級者用のカイトも安定性を重視した設計になっており、初心者でも簡単に飛ばすことができますが、到達高度は約300m程度です。

ハヤブサ(現在リニューアルのため、商品ラインアップにはありません)やプテラノドン、フクロウなどは、筆者の経験上、最も高く揚げることができ、700~800m程度揚げたことがあります。ただし、このくらいの高さになると、繰り出した糸にかかる風の抵抗が大きくなるため、上昇速度が遅くなり、上昇させるのにかなりの時間がかかります。
200m程度の高度であれば、わずか2~3分で到達しますが、700mの高度となると筆者の経験では40分程度の時間を要しました。(ただし、上昇気流に乗せることができれば、2~3分で500m程度に到達します。)
実験上時間の制約があったため、800m程度の高度で飛行を止めてしまったため、上記モデルの到達限界高度の確認ができませんでしたが、もう少し時間をかけて揚げ続ければ引きの強さから見て、おそらく、プテラノドンは1,000mをクリアしたものと思われます。

一般に、上昇到達高度が高いものは、30~50m程度の低空域ではやや揚げるのが難しく逆に、低空域で簡単に揚げやすいものは、到達高度が200~300m程度が限界になります。
皆さんも、一度、御自分のバイオカイトを辛抱強く時間をかけて揚げてみて下さい。