BioKiteキッズ バイオカイトで化学を学ぼう!

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第101号 バイオカイトのトラブル対策について パート1

今回は、トラブル対策について説明します。トラブル対策は、大きく分けて2つあります。

ひとつは、構造上のトラブル(たとえば故障や破損など)、もうひとつは、糸目のセット位置やバネの選定、さらには舞い風などの環境不安定からくるトラブル対策があります。
バイオカイトを初めて揚げるフライヤー(揚げ手)にとって、揚げようとしたバイオカイトがかたむいたり、くるくる回ったりするとどこが悪いのかわからないのでパニックになってしまうと思いますが、冷静に下記の手順で確認すると良いでしょう。

1.飛行チェック
バイオカイトを揚げる時には、一気に上空に揚げるのではなく1~2m程度の高さで一度様子を見てください。
安定して飛行しているようであれば、そのまま高度を取っていけば良いのですが、かたむいたり回転する場合は、すぐに糸を巻き戻して次の点を確認してください。

2.糸目位置の確認
バイオカイトは、いろいろな機種があり、すべての機種が同じ位置で安定するとはいえませんが、ここではトビ、ファルコン、羽ばたく蝶シリーズなどほぼ同じ糸目位置のものについて説明します。
糸目位置は、凧の安定にとっては非常に重要な要素です。
糸目が極端に頭部寄りや尾翼寄りにセットされていると、かたむいたり回転する原因になります。
トビなどの機種では、安定位置は、横梁(木材の横骨)と背骨の交点あたりです。
かたむいたり、回転する場合は糸目位置をまず確認してください。(ハヤブサや三色ゼミ、カブトムシは糸目の安定位置は、横梁と背骨の交点より尾翼寄りにあります。)

3.糸目位置をセットしてもかたむきや回転が止まらない場合の確認
a)横梁の両端がシートにしっかりと貼り付けられているかどう か見てください。
両端が外れかけたり、剥離しているかたむきの原因となります。
また、半完成品やキット製品を製作された場合は、横梁の端部が背骨に接触していないか翼をたたんだり広げたりしながら、確認してください。
(翼が風を受けて上方へたたまれた状態で、横梁が背骨に接触すると回転の原因となり、最悪の場合墜落することがあります。)
b)V骨(背骨から主翼に斜めに取り付けられている骨)が背骨に乗り上げていないかを見てください。
乗り上げていれば、やすりかはさみで乗り上げている部分をカットして再度シートにしっかりと貼り付けてください。

以上が、構造上でのチェックポイントです。

これらを確認してもまだかたむいたり回転する場合は、風が舞っている可能性があります。
揚げる位置を変えて、もう一度飛ばしてみてください。
それでも、うまくいかない場合の応急処置については、紙面がつきましたので、次回説明します。

第102号 バイオカイトのトラブル対策について パート2

今回は、トラブル対策の続編です。
前回説明しました、構造のチェックや糸目の調整、さらには凧揚げを行う位置を変えて様子をみても、うまく揚がらない場合は、次の応急処置が必要となります。

傾いて飛ばない場合は、傾くほうの翼と反対側の翼の端部に幅1cm程度で長さ30cm程度の紙テープかタコ糸を貼り付けてみてください。
テープを貼り付けた側が逆に傾くようであれば長さを短くしてつりあう長さにしてください。 くるくると回転する場合は、尾翼に30cm程度の上記と同様のものを貼り付けてください。 尾翼に貼り付ける場合は、長さは30cm以上あっても差し支えありません。 思い切って長めのものを用意されるのも良いでしょう。

フィールドでの応急処置は、他にもありますが、とりあえず上記の方法で何とかなります。

ただし、あくまで応急処置で、回転や傾きは必ず原因がありますので、時間に余裕のあるときに
・ 前回のチェックポイント他、・シートにしわが無いか?
・白色チューブ(ストロー状の骨)が曲がっていないか?
・全体的にひずんでいないか?
・横梁などの骨にひびが入ったり折れていないか?
など調べてみてください。

必ず、原因が見つかると思います。

第103号 バイオカイトのハイパーモデルについて

今日は、最近、バイオカイトのハイパーモデルが出ていますが、「どこがハイパーなのかがよくわからない」という方のためのワンポイントレッスンです。

バイオカイトは、ご存知のように鳥や飛行機と同じく揚力で飛行しますが、特に翼の前縁付近で、大きな揚力を発生して飛行します。

今回のハイパーシリーズは、その揚力の発生が集中する前縁付近を強化し、パワーアップしたものです。
したがって、従来のバイオカイトに比べて、重量的には少し重くなっていますが、それを上回る大揚力を発生して飛行することが出来るのです。

さしずめ、馬力の小さなエンジンで高性能を得るために、徹底的に機体に重量を軽減した軽戦闘機と大馬力のエンジンを搭載して、多少の重量増加はあってもそれをエンジンパワーで補って、高性能を発揮する重戦闘機の違いに似ています。
今までの、柔らかなバイオカイトの引きになれたフライヤーにとって、ハイパーバイオカイトの強い引きは、まったく違う感触かもしれませんが、力強さを感じられると思います。

ぜひ、一度、お試しください。

第104号 ハイパーバイオカイトシリーズとノーマルシリーズの違い

バイオカイトの中に、ハイパーバイオカイトというタイプがあるのはご存知だと思いますが、今日は、ハイパーバイオカイトシリーズとノーマルシリーズの違いを説明したいと思います。

ハイパーシリーズとは、バイオカイトが、揚力を最も発生する主翼前縁部分を発泡ポリスチレンで強化し、パワーアップしたタイプのことです。
ハイパーシリーズは、重量は、ノーマルタイプに比べてやや重くなりますが、それを上回る揚力で力強く上昇するのが大きな特徴です。

ハイパーシリーズをうまく飛ばすためには、尾翼のマジックテープをしっかり貼り合わせ、1m程度糸を伸ばして肩の上あたりで飛ばしてみます。
風をつかんだら糸を少し伸ばして止め、軽く糸を引いて(リールを使用している場合は、竿を軽く引いて)高度を取ってください。

ハイパーシリーズは、ノーマルタイプより上昇角が大きいため、頭上で飛行します。 そして、頭上付近にバイオカイトがきたら、再び糸を伸ばして下さい。 この繰り返しで、バイオカイトを安定して高く揚げることが出来ます。

[ハイパーバイオカイトを揚げるときの注意]
バイオカイトの尾翼の端に、マジックテープがありますが、実はとても大事な部品なのです。マジックテープを貼り合わせずに飛行させると、風が絶えず吹き続けているときは問題ありませんが、風が吹いたり止んだりする環境下では、突然バイオカイトが頭を下に向けて墜落することがあります。これは、ノーマルタイプではあまり見られない現象で、注意が必要です。

[ノーマルタイプとハイパータイプの楽しみ方]
ノーマルタイプは、静かに糸を伸ばしていくだけで安定したバイオカイトの飛行を楽しむことが特徴ですが、ハイパータイプは、風に合わせて、糸の引きを入れて高上昇能力を引き出して楽しむのが特徴といえます。風に逆らわずに飛行を楽しむのが、ノーマルタイプなら、風に対抗して一気に上昇する力強さを楽しむのが、ハイパータイプといってもよいと思います。どちらも、非常に安定ですが、まったく異なるキャラクターを比較してみるのも面白いと思います。

[次回は、ハイパータイプとノーマルタイプの糸目の設定の違いについて説明したいと思います。]

第105号 ハイパーバイオカイトとノーマルバイオカイトの糸目位置の設定の違い

今回は、ハイパーバイオカイトとノーマルバイオカイトの糸目位置の設定の違いについて説明します。
ハイパーバイオカイトは、主翼前縁に発泡ポリスチレンが取り付けられています。ハイパーバイオカイトを飛ばすときの注意事項としては、糸目の設定を、横梁と背骨の交点よりやや尾翼寄りにセットしてください。

(ノーマルバイオカイトの多くが、糸目のセット位置は横梁と背骨の交点あたり)また、すべてのバイオカイトは、尾翼の後端部にマジックテープがついていますが、飛ばす前に必ず貼り合わせるようにしてください。特に、ハイパーバイオカイトは上空に舞い上がった後、風が突然なくなったとき、マジックテープを貼りあわせていないと、頭を少し下にして滑空を始めます。 マジックテープを貼り合わせることにより、尾翼に少し角度が付き、風がなくなったときでも一定の迎角を保って滑空を防止できます。

ハイパーバイオカイトは、ノーマルタイプに比べて前が少し重い分だけ、滑空を起こしやすいため、糸目をやや後ろに取ることと、尾翼のマジックテープをしっかり貼りあわせることが大事なポイントになります。もし、マジックテープを貼り合わせるのを忘れて、上空高く揚げた場合、滑空防止のため、絶えず、小刻みに糸(竿)を引いてバイオカイトの頭部を起こすようにしてください。

第106号 無風で飛ぶバイオカイトの揚げ方説明1

無風で揚がるバイオカイトを発売させていただいたところ大変な反響をいただきました。そこで、今日は無風で飛ぶバイオカイトの揚げ方を説明させていただきます。

「凧は、風があるから飛ぶもので、無風で飛ぶ凧なんかあるものか」と思われた方も多いと思いますが、今回の無風バイオカイトは、そんな凧揚げの常識を少しはなれて、専用の竿をゆっくり振ることで、自分で風を自分で起こして舞い上がるように設計されています。

今までのバイオカイトと少し違うのは、体育館などの広い室内で、ゆっくり優雅に飛行させるために、重心位置を少し後ろにずらして設計されていることと、室内で飛ばすときには、尾翼つまみを貼り合わせないで飛ばし、屋外で普通に飛ばすときには、尾翼のつまみを貼りあわせるところなどです。
まず、屋内で、飛行させるためには、専用の長い竿が必要です。 竿を左右にゆっくりと振ると、バイオカイトは、横方向に飛行し始めます。
横一杯に竿を振ったら、今度は反対側に、バイオカイトをターンさせますが、ここが、少し練習の必要なところです。
凧揚げの基本は、糸をたるませないで揚げることですが、バイオカイト無風タイプでも同じです。
横方向に、水平飛行しているときには糸は、誰でもピンと張れますが、糸をたるませずに方向変換するには、少しコツがいります。

最初は、竿を水平にして振り始め、ターンするときにはやや斜め情報に引き上げながら行います。ちょうど、アルファベットのZを下から書くようなイメージです。
こうすると、バイオカイトは糸をたるませることなくターンを完了し、少しずつ上昇していきます。 このとき、できる限りゆっくり竿を振ってください。これも大事なコツのひとつです。
この動作を繰り返しながら、水平飛行のときに、糸を少しずつ伸ばしていきます。一気に伸ばすと、バイオカイトは、推力を失い、失速墜落しますから、リールの糸巻きに親指を掛けてブレーキを効かせながらゆっくりと糸を伸ばしてください。
やがてバイオカイトが、頭上付近で飛行するようになると、ここからが、腕の見せ所になります。竿を大きく円を描くように回すと、頭上を旋回飛行し、下方にむけて振り下ろしながら、そこから竿を引き起こすと、宙返りのような飛行をします。
また、頭上付近で竿を振るのを止めると、バイオカイトは滑空を始めます。滑空させながら、高度がある程度下がると、再び竿をZの字に振ると前と同じように上昇を始めます。
無風の体育館などでバイオカイトを揚げるのは、凧揚げとは少し違う楽しみがあります。バイオカイトを風に任せてあげるのではなく、自分でバイオカイトを自由に操作できます。

今日は、紙面が尽きましたので、基本動作のみにさせていただきますが、次回は応用動作について説明をしたいと思います。

第107号 無風で飛ぶバイオカイトの揚げ方説明2

今日は、前回に続き、無風で揚がるバイオカイトの揚げ方について説明します。
前回は、基本動作について、説明しましたので、今回は、応用動作について説明してみたいと思います。

無風で揚げる際のコツは、ゆっくりと竿を振ることと、糸をたるませないことであると説明しましたが、これらの動作を行いながら、竿を左右に(Zの字を下から書くように、竿を振る)振るとバイオカイトは、すこしずつ上昇し、やがて、頭上に到達します。
そして、この頭上に到達したバイオカイトをどうコントロールするかが、今日のテーマになります。

一般には、頭上に到達したバイオカイトの竿を左右に振るだけでは、バイオカイトは行ったり来たり往復運動をするだけで、あまり面白くありません。
そこで、この高度を利用した技をひとつ紹介します。頭上に到達したということは、高度も稼いでいるため、この高度を利用して、まず滑空させます。
このとき、バイオカイトは、頭を少し下げながら、ゆっくりと直線飛行をしますが、その間に揚げ手は、飛行線の左右どちらかに1m程度ずれてください。
バイオカイトの糸がぴんと張るところまで、滑空すると、揚げては、竿を手前に引きカイトの向きをこちらに向ける必要がありますが、飛行線上に立っていると、カイトの方向ターンが出来ないため、滑空中に揚げ手が素早く移動することがポイントです。
これらの動作を繰り返しながら、糸を少しずつ伸ばしていくと、バイオカイトが頭上に到達した場合の高度は、20~30mになることがあります。(この場合には、竿を引くときに自分も少し意図のテンションがかかる方向に移動したほうが効果的ですが・・・)
この方法で、室内で高く揚げる技をまず覚えてください。 これが出来れば、高さを利用して、宙返りしたり、急降下したり右から左、左から右と方向転換したり、自由自在に室内飛行を楽しむことが出来ます。
これらの動作に、慣れてきたら、同じ動作を外でやってみると面白いと思います。

風を前から受けたり後ろから受けたり、横から受けたりしながら、カイトは面白い動作を見せてくれます。このあたりのことについては、次回説明させていただきます。

第108号 無風タイプのバイオカイトを風の吹いている屋外であげる場合の説明

今日は、無風タイプのバイオカイトを風の吹いている屋外であげる場合の説明です。
風のある屋外であげる場合、無風タイプのバイオカイトの竿を左右に振ってバイオカイトを横方向に移動させながら、揚力で上昇させている途中で、自然の風が、バイオカイトの横や前方、後方から任意に当たるため必ずしも、竿の動きどおりにバイオカイトが飛んでくれません。
ある程度の強さ(3m/秒以上)の風が吹いている場合は、あまり逆らわずに普通のバイオカイトとして飛ばしてもよいと思いますが、1.5m/秒程度の風であれば、逆にこの風を利用してアクロバティックな飛ばし方をすることも出来ます。

例えば、バイオカイトをある程度の高さまで、竿を振りながら揚げて高度を稼ぎ、その段階で竿を風の流れる方向に振り、バイオカイトが風を背にするように誘導します。そして、竿を振るのを止めるとバイオカイトは滑空を始めます。
そのときに、揚げ手が、すばやくバイオカイトの飛行線から1~2m程度横に移動し、竿を手前に引きます。
バイオカイトは風に流されながら滑空していた状態から、反転し風に向かいますが、うまくタイミングを合わせて竿を引くと、水平方向に1回転させることが出来ます。これは、バイオカイトが反転するときの動きと風の流れを利用した水平方向の回転飛行ですが、他にも揚げ手が風を背にしながら(バイオカイトを風に向かって揚げながら)、高度をある程度稼いだ段階から、竿を斜め下に振って、バイオカイトを急降下させ、次に竿を少し手前に引きながら斜め上に振ります。
するとバイオカイトは、揚げ手の方に向かって斜め上に上昇します。この姿勢から、竿を揚げ手の前方へ振るとバイオカイトが風を背にして、滑空します
。このとき、前述の水平回転飛行の動作を行うと、縦方向の回転飛行から、横方向の回転飛行へと移り、鮮やかなアクロバット飛行が出来ます。シングルラインカイトで、このようなコントロールが可能なカイトはめずらしいのですが、まるでデュアルラインカイトのような飛行を楽しむことが出来ます。

是非一度、トライしてみてください。

第109号 ハイパータイプのバイオカイトの揚げ方

ハイパータイプのバイオカイトの揚げ方に戸惑いを感じている方はありませんか?

ハイパータイプは、揚力を増すため、翼前縁付近に、スチレンペーパーが貼り付けられています。
ノーマルタイプにはない部品ですが、このパーツの重さ分、重心が前にあるため、尾翼のマジックテープを貼り合わせないと、飛行中に風がなくなった段階で、頭を斜め下に向けて滑空します。

ノーマルでも同様ですが、特にハイパータイプのバイオカイトは尾翼のマジックテープを貼り合わせることが、飛行前の大事な点検項目です。
マジックテープを貼り合わせられていれば、飛行OKですが、揚げる際にノーマルタイプと異なるところがもうひとつあります。それは、微風しかない環境で揚げるときの竿の引き方です。
ノーマルタイプは、大きく竿を引いても、特に問題ありませんが、ハイパータイプは、いきなり大きく竿を引くと、一気に頭部をもたげて上昇しますが、糸の引きがなくなると頭をもたげた状態から一転して、滑空に入ってしまいます。
ハイパーバイオカイトを飛ばすのがむずかしいといわれる方は、このあたりの竿の引き方に大半の問題があると思います。
ハイパータイプの場合は、微風環境下では、竿を小刻みに連続して引くことが大事です。つまり、いきなり大きく竿を引くと、いったんは揚力を発生して上昇しようとしますが、引く力がなくなると、失速して滑空になってしまうため、小刻みに小さく竿を引いて、絶えず糸にテンションをかけておくことが大切です。

この点をわきまえて飛行させると、ある高さまで上昇した段階で、少し風が強まると、ノーマルタイプより大きな揚力を発生して、ダイナミックに上昇していきます。この引きの強さは、ハイパータイプ特有のもので、魅力的です。ハイパータイプのバイオカイトをお持ちの方は、小刻みに竿を引く飛行法、一度試してみてください。