BioKiteキッズ バイオカイトで化学を学ぼう!

メールマガジン(第051-第075)

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第051号 バイオカイト大会で、筆者が気になること パート2

今回も、前回、前々回に続き、バイオカイト大会で、筆者が気になることを並べて見たいと思います。

バイオカイトに限らず、凧は表面から当たる風には強いのですが、裏から風を当てると非常に弱く、破損の原因になります。傘と同じと考えていただくとよいと思います。

バイオカイトの場合は、揚げる場所で2つ折りあるいは4つ折りにたたまれたカイトを開き、左右の翼をスプリングで連結したり、背骨をジョイントで結合したり、また尾翼のマジックテープを貼り合わせしたりする作業があります。
このとき、風上を背にして(風をさえぎるようにして)しゃがんで、カイトの頭を風上に向けてカイトを開き、上記の揚げる前の作業を進めて欲しいのです。
この準備作業を風の流れを無視して無造作に行うと、カイトは揚げる前に破損してせっかくの凧揚げが台無しになります。

バイオカイトを飛行させるときに、ビギナーの方は揚げる事については風向きや強さなど注意を払われるのですが、揚げる前の準備については無造作にされることが多いようです。
また、バイオカイトを飛ばす前の準備が完了し、揚げるポイントまで移動するときにはカイトの表面を風の吹いてくる方向に向けて、移動してください。
一番安全な方法は、1m位糸をのばして、カイトを自分の肩の上で飛行させながら移動すると無理な力がかからず、安全に持ち運びできます。
微風で飛ぶバイオカイトならではの持ち運び方法ですが、この方法だと片手で安全に持ち運びでき、非常に便利です。

バイオカイト大会でこのような持ち運びや移動をしている方をあまり見かけませんが、ぜひ試してみてください。

第052号 新型「トビ」についてのお話

今回は、新型「トビ」についてのお話です。

4月に発売しました新型「トビ」は、旧モデルを時間をかけて改良し、安定性と運動性、デザイン性を改良し、最新の製作技術を集めた商品となっていますが、実は発売直前まで、安定性とデザインを優先するか、運動性を優先するかという点で、意見が分かれました。

結果として、安定性とデザインを優先するという方向で現在のモデルの発売に至りましたが、実はこの新型「トビ」はかなり高いポテンシャルがあります。

尾翼後端を輪郭に沿って約15mm切断し、短縮すると墜落しない程度に、8の字飛行するなど、動的安定性に優れた性能をもっています。ただし、ある程度上空まではうまく揚げるテクニックがないと、低空の乱流に影響されて墜落することもあるため、誰にでもお奨めはできませんが、中級程度のバイオカイト経験者であれば、簡単に上空で暴れる「トビ」の飛行を楽しむことができます。
「フクロウ」もこの運動性については、かなり高いポテンシャルがありますが、「トビ」の運動性は、「フクロウ」の飛び方とは異なる独特のものがあります。

発売前に意見が分かれたのも実は、この点にありました。
結局、多くの人が、新型「トビ」を楽しんでいただける性能ということで現在のものに落ち着きましたが、「トビ」にはこのような「かくれキャラ」があるということを、紹介させていただきます。

尾翼の切断方法は、簡単で、現行の尾翼後端より約15mmのところをはさみで、輪郭に沿って切り取り、マジックテープ(できれば新しいものをご購入下さい)を貼りかえればOKです。大事なカイトに、はさみを入れるのが不安な方がおられましたら、いつでもご説明させていただきます。

第053号 サンショクゼミの楽しみ方

春が旬のバイオカイトの代表が蝶シリーズなら夏はセミとカブトムシということで、本日のワンポイントレッスンは、サンショクゼミの楽しみ方について少し説明してみたいと思います。

サンショクゼミはバイオカイトシリーズの中では小型カイトになりますが、その分うまく飛ばすと、非常に軽快で小気味良い飛び方をします。

まず、最初に糸目中心の位置決めですが、横梁と背骨の交点付近よりやや下目に糸目中心をセットします。(つまり、迎角をやや大きく取ります。)
そして、風にもよりますが、一般的には高度50m付近まで10m程度の間隔で糸を一気にのばしたり、ブレーキをかけたり(ブレーキをかけるときは、完全には糸の送り出しはとめず、送り出しスピードを落とす程度)しながら、なるだけ早く高度をかせいでください。
高度50mを越えたあたりからは、サンショクゼミの最も得意な飛行ゾーンとなり上空で風にしっかり乗って、力強い飛行を見せてくれます。
小型にもかかわらず引きが強いのもこのタイプの特徴です。

サンショクゼミは鳥シリーズに比べて、糸目中心の安定ゾーンが少し小さくなり、安定点を探すのに初めての方は戸惑うかもしれませんが、少しなれてこられた方は、安定点の1~2mm程度上に糸目中心を移動し揚げてみて下さい。 上空で8の字やジグザグ飛行を行います。
夏の風は小型カイトの練習には、もってこいの条件です。
また、うまく揚げると、小型カイトにもかかわらず、500m程度の高さに到達することがあります。

夏こそ、鳥シリーズとは少し揚げた感触の違うサンショクゼミの飛行をお楽しみ下さい。

第054号 糸の扱いについてのお話

今回は、糸の扱いについてのお話です。

現在、バイオカイト専用糸として弊社では#60(標準糸)と#100(超極細糸)の2種類の糸を発売しております。
これらの糸は、風の抵抗がカイトの上昇力を妨げるのを極力抑えるため、細くて丈夫な性能を持たせております。

バイオカイトを高く揚げるためには、カイトそのものの性能はもちろんのこと、糸の性能やリールの性能等がすべて必要条件となります。
これらについては、既に説明させていただいた通りですが、今回はバイオカイトの大事な飛行性能の一部である糸のメンテナンスについてのお話です。

バイオカイトの飛行に慣れたお客様は、あまり墜落させることはないと思いますが、はじめたばかりのお客様の場合、墜落を何度か経験されることと思います。その際に、木の枝や石などに糸が引っかかることがあります。
釣りをご趣味にお持ちの方は良くご存知のことと思いますが、石や突起物などに接触した糸は、見た目に分かりにくくても表面に多くの亀裂や傷が生じます。これが、どんどん進むとあるとき突然切れるということになります。
ですから、何回か墜落させて、糸が突起物に接触した糸はその部分から切断して使用されることをお奨めします。

これらを何度か繰り返すと糸が短くなりますので、その際には全部張り替えられるか、短くなった糸の先に、新しい糸をつないで使用するようにしてください。

糸の消耗度合いについては、かなり個人差があり、筆者は#100の極細糸で500時間程度使用しトラブルがありませんが、これは墜落したり糸をこすったりすることなく使用されているからで、一般的には一度でも糸が突起物に接触した段階でその部分から切断されることが無難であると思います。

第055号 リールを使用して揚げるときのロッド(サオ)の使い方 パート1

今回は、リールを使用してバイオカイトを揚げるときのロッド(サオ)の使い方について、説明します。

ロッドを手前に引く動作は、皆さん何の説明をしなくても、自然に行いますが、バイオカイトを揚げるときにはこの引き方が空中での安定性や到達高度に直結することになります。
今回は、なんとなくロッドを引くのではなく、ロッドを引く意味を理解して引いていただけるように解説をいたします。

一般的に、カイトを揚げる場合、ロッドや糸を引くのは、次のような場合が想定されます。

①風があまりなく、引きにより高度を稼ぐ場合。
②適度な風が吹いている中で、急上昇を行うためにロッドを引く 場合。
③カイトが上空で水汲み運動を発生し、回転が止まらない場合、 ロッドを引いたり、前方へ押しやったりしながら体勢を立て直す場合。

などが考えられます。

バイオカイトをリール付きのロッドで揚げる場合は、ロッドの長さがあるため大きく引く必要はありません。
通常バイオカイトを揚げるために、ロッドを持っている位置(自身の体の正面中央あたり)から、最大上方90度程度の引きで十分です。
特に、①の風があまりない場合だと、大きくロッドを引くことに より、確かにバイオカイトはそのときは上昇するのですが、ロッ ドを元の位置に急に戻すと、糸の張力が緩み、カイトが失速してしまいます。ですから、ロッドを引くという動作は、風が弱い環境の下では、小さく、繰り返し、なども行うことが基本となるのです。
ロッドを90度上方へ引くと、カイトの迎角にもよりますが、あまり風がなくてもカイトは1~2m上昇します。これらの動作を繰り返し、何度も行うと少しずつ繰り返すと、無風に近い風の元でもカイトを上昇させることができます。
ある高さまで、辛抱強くカイトを上昇させると、風が吹いているゾーンが必ずあるので、その高度に到達した時点でカイトは一気に上昇します。

今回は、ロッドは、上方最大90度までの角度で引くとカイトは効率よく安定して飛行するということを、覚えておいてください。

次回は、②③の場合について説明します。

第056号 リールを使用して揚げるときのロッド(サオ)の使い方 パート2

今回も、リールを使用してバイオカイトを揚げるときのロッド(サオ)の使い方について、説明します。

前回は、風があまり吹いていない環境の下で、高度を稼ぐための、ロッドの引きは、小さく引いて、その動作を繰り返すことと説明しましたが、今回は、②適度な風が吹いている下でのロッドの引き方と③上空で風が強く、カイトが水汲み運動などを起こしている中でのロッドの引き方の説明です。

②の適度な風の下では、糸に適当な張力を持たせておけば、カイトはロッドを引くことなくどんどん上昇を続けますが、急上昇などの動作を行う場合ロッドの引きが必要になります。
バイオカイトを急上昇させる場合、まず、リールのスプール(糸巻き部)から完全に指をはずし、回転をフリーにします。するとカイトは横流れを始めます。上昇させるのに必要な高さ分の糸を繰り出したら、スプールに指をかけてブレーキをかけると共に、ロッドを90度上方へ引き上げるとカイトは、送り出した糸の長さ分、急上昇します。本物のトビなどに襲われたりした場合には、この急上昇のテクニックを使うと、トビの攻撃から完全に逃れることができます。一度、お試しになってはいかがでしょうか?

また、上空の強風にあおられて水汲み運動をおこしたときには、ロッドを強く引くと、カイトは裏側のスプリングが湾曲して翼をすぼめた状態になります。その状態から一気にロッドを元の位置に戻すとカイトは、翼を元の状態にもどし水汲み運動の回転から一時、開放されます。その間に前進しながら糸を巻き取り、水汲み運動を起こさない高度までおろすようにしてください。この動作を繰り返しながら、小刻みに行うことで、上空での強風による水汲み運動からカイトを開放し、墜落させることなく回収することができます。いずれの場合も、ロッドは大きく引くのではなく、最大90度までと考えてください。(大きく引きすぎると、失速の原因になります。)
このように、ロッドを引くという動作は、風との会話のようなイメージで捉えると、凧揚げが楽しくなります。

第057号 バイオカイトをグライダーとして飛行させるときの飛ばし方

今回は、いつものワンポイントレッスンとは少し趣向をかえて、バイオカイトをグライダーとして飛行させるときの飛ばし方をご紹介します。

バイオカイトは、通常の状態でも、尾翼のマジックテープを貼り合わせずに、やや斜め下に向けて手放すと、滑空しますが、さらに積極的に長距離を紙飛行機のように滑空させる方法があります。
バイオカイトの胴体部下面に20~30g程度のおもりをぶら下げて、水平方向もしくはやや上向きに投げ出すと、かなりの距離を滑空します。
おもりの取り付け方法は、筆者などはなるべく面積のある直方体の木もしくは金属をおもりに選び、マジックテープでバイオカイトにとりつけています。

カイトとして飛行させる場合は、重量はできる限り軽い方が良いのですが、グライダーとして滑空させる場合は軽すぎると、投げ出した途端に揚力で頭部が上を向き、迎え角が大きくなって失速墜落してしまいます。
おもりの重量が運動エネルギーとなるため、適度な重さが必要になるのです。

ユリカモメのバイオカイトで30g程度、トビで40g程度のおもりをぶら下げても悠々と滑空します。

最近、理科や総合学習の授業でバイオカイトが使用されることが多くなりましたが、「おもりをつけたらカイトとして飛行させくくなるバイオカイトが、グライダーとして飛行させる場合は、おもりをつけたほうが良く飛ぶのはなぜ?」という疑問をなげかけて、理科のテーマのひとつにしていただければ幸いです。

第058号 リールの糸の巻き方について説明

今回は、リールの糸の巻き方について説明します。

バイオカイトのリールは、標準の1:1のリールと5:1の倍速リールがありますが、糸を張り替えたり、延長する場合は、次のことを注意して巻くようにしてください。

まず、第一には糸をリールに巻き取るときに片手で一定の張力をかけて巻き取るようにしてください。
全く、糸に張力をかけずに巻き取ると糸がリールに巻かれた状態で、もつれてしまいます。
また、糸の張力のかけ方が強くなったり弱くなったりした場合も同様で、もつれる原因となるため一定の張力で巻き取ることが大事です。
5:1の倍速リールには、トラバーサという糸を左右に移動させながら、巻き取る機構がついていますが、標準リールにはありません。
このため、標準リールを御使用の方は、できるだけ片手で糸を左右に移動させながら、糸巻きに平均して巻き取るようにしてください。
同じところに、糸がうずたかく巻き取られると、山ができるため、その山が崩れるとやはりもつれる原因となります。

バイオカイトを飛ばしていて、墜落した場合の糸の巻き取りも同じで、片手で糸に張力をかけて左右に移動させながら巻き取っておくと、良い風が来たときにうまく捕えてビッグフライトを楽しむことができるでしょう。

第059号 バイオカイトを一番安全に高く飛ばす方法

今回は、バイオカイトを一番安全に高く飛ばす方法をご紹介します。

高く飛ばすためには、いくつかの条件がありますが、まずは場所を選ぶことが大切です。電線のある場所や車の通りの多い場所、さらには空港の近くでは、高く揚げる事はしないで下さい。
筆者がバイオカイトで500m以上のビッグフライトを楽しむ場所は、海辺の広場で、風向きは陸から海に向かって風が吹いている時にと決めています。

さて、本題の安全に高く飛ばす方法ですが、まず、バイオカイトの機種の選定が第一です。
プテラノドン、フクロウ、新型のトビなどがビッグフライトに適しており、うまく操作すると、オオカバマダラやオオムラサキなどの蝶シリーズも可能です。この場合の機種選定は、上昇角が大きいものを基準にすると良いでしょう。(ユリカモメやファルコンなどの上昇角のやや小さいものは300m以上の高さに揚げるには不向きです)

第二に、糸の長さを十分確保しておくことが必要です。
高高度飛行になれないうちは、#60の専用糸(300m)をつなぎ合わせて飛行させることをお奨めします。
上空でかなりの突風が吹いていることがあるため、不慣れなフライヤーが、風を無視して無理な操作を行うと#100のごく細糸を切ってしまう可能性があるからです。安全な#60の糸をつないで飛行させるのをお奨めする理由はこ うした理由からですが、この場合糸のつなぎ目の信頼性が大事な 要素になります。

糸の結び方については、ホームページ (URL http://www.biokite.com)をご参照下さい。

第三にバネを性能アップパーツの長尺バネに交換しましょう。
高高度飛行をする際に、糸の抵抗が大きくなるため、揚力のロスを減らすためです。

第四に、糸目中心を安定点よりやや頭部寄りに寄せます。
(上空の突風対策)この場合の地上付近での操作は、糸目中心が頭部寄りによっているため、やや不安定になり、20~30m程度横流れをさせながら糸を一気にのばした後、リールのスプールにゆっくりとブレーキを掛けてバイオカイトを急上昇させて下さい。 こうして、気流の不安定な高度を短時間で抜けていきましょう。

第五に、上昇気流(サーマル)が吹いているところを見つけましょう。
この上昇気流(サーマル)見つける方法は、トビなどが大きく翼を拡げて輪を描きながら上昇していれば、間違いなくその場所は上昇気流が吹いています。トビは上昇気流をうまく利用して滑空する名人なのです。バイオカイトをその地点付近に持っていけばあとは、大空に吸い込まれるように急上昇していきます。
一度この感触を味わったら病み付きになってしまうほどの快感です。

以上が、高高度飛行の準備と飛行方法ですが、他にも上昇気流を使わずに高く揚げる方法がありますが、紙面がつきましたので、またの機会に譲ります。

第060号 半完成品キットの横梁の貼り付け方についての注意事項

今回は、半完成品キットの横梁の貼り付け方についての注意事項を説明します。

バイオカイトは、発売開始時には、すべてキット品で半完成品などはありませんでしたが、その後女性のお客様を中心に、組立の簡便化等のご要望をいただき、現在の半完成品キットが登場しました。

半完成品キットといっても、横梁と一部のフレームを貼り付ければ完成する極めて簡単な仕様になっているため、凧作りを楽しみたいお客様にとっては、物足りない部分があるかもわかりませんが、横梁は風圧に耐える強度をつかさどる最も大事な部品で、横梁の貼り付け方が悪いとバイオカイトが傾いたり、最悪の場合は回転して飛ばないことがあります。

ここで、横梁の貼り付けについては次の点に気をつけて貼り付けてください。

①シートにしわがよらないように、のばして横梁を貼り付けてください。
(しわが残った状態で、横梁を貼り付けると風の抵抗が大きくなり傾きや回転の原因になります。)

②翼端縦骨と横梁の先端の間は、左右均等に1~2mm程度の隙間を取ってください。
(翼端縦骨と横梁端部の間の距離は、風が強いときの翼端の曲がり具合を決める大事な隙間です。左右の隙間が極端に違ったり、片側の横梁端が翼端縦骨に接触していたりすると傾きや回転の原因になります。)

③背骨と横梁の先端の間に数mm程度の隙間を空けましょう。
(翼端縦骨と横梁先端の隙間を左右均等に開けると、背骨と横梁先端の間が左右不均一になることがありますが、この非対称は問題ありません。ただし、背骨と横梁先端が接触しないよう最低1mmの隙間は取るようにして下さい。もしどうしても背骨が横梁先端と接触するようでしたら、その部分を削り取って下さい。)

④横梁の両端がシートやPCプレートから剥離しないようにしっかり付けてください。
(少しでも端が剥離していると、傾いたり回転したりする原因になります。もし、剥離している場合は、ゴムボンド(他のボンドはつけないで下さい。)で接着して下さい。

半完成品キットの場合は、横梁さえ正確に貼り付けられていると、簡単に大空に舞い上がります。

いよいよ、秋の絶好のシーズン到来です。 天高くバイオカイトを飛行させる最も良い季節です。 秋風にのせて、ぜひバイオカイトを飛ばしてみてください。

※言葉の整理
・横梁(翼の横方向に貼り付ける木材のフレーム)
・背骨(バイオカイトを裏側から見て、頭部中心から尾翼の中心にかけて貼付られている白色のフレーム)
・翼端縦骨(翼の中央に背骨並行に貼り付けられている黒色のフレーム)
・PCプレート(翼端縦骨に直角に交差して貼り付けられている透明の樹脂)

第061号 バイオカイトの揚げ方の基本と操作方法のおさらい的な説明

バイオカイトについてのお便りやご質問をいろいろいただきますが、その中で、基本的なあげ方についてのお問い合わせが多いため、今回から数回にわたりは、バイオカイトの揚げ方の基本と操作方法のおさらい的な説明を行います。

(バイオカイトを揚げる前の準備)
1.キャリングケースなどから、バイオカイトを取り出す際には、必ず風向きを確認してください。
2.風上に背を向けて、しゃがみながら、折りたたまれたバイオカイトを風上に頭部を向けて開いて下さい。
3.次に、糸目により戻しのフックを引っ掛けてロックします。
4.バネをバネ受けにセットして、飛行状態にしてください。
5.尾翼のマジックテープを貼り合わせてください。
6. 糸目中心を横梁と背骨の交点あたりにセットしてください。
(安定して飛行するための糸目の設定点の目安です。 バイオカイトの鳥や蝶の多くは、おおむねこの位置が安定飛行する設定点になりますが、カブトムシやセミなどは少し尾翼寄りにセットした方が安定します。)
7.3~5m程度揚げて様子を見てみましょう。
a.首を振って飛行するときは、糸目を尾翼寄りに1~2mmずらしてください。
b.迎角が大きくなりすぎて、尾翼や胴体が変形するような風圧を受ける場合は、糸目を1~3mm程度頭部寄りにずらしてください。まっすぐ飛ぶようになったら、糸をのばしていきましょう。

※慣れてくると、糸目を少し頭部よりにずらした状態で、8の字飛行や蝶シリーズの場合は羽ばたき飛行などの応用動作が可能になりますが、基本はまっすぐ安定して飛行させることにありますので、まず、安定して飛行させることに慣れてください。

次回は、バイオカイトの飛行時の操作方法について説明します。

第062号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第一回目

今回のテーマは、「リールの使い方について」です。

バイオカイトのオプション商品として弊社から、発売されているものは、標準リール(回転比率1:1)と高速リール(回転比率1:5)の2つのタイプがありますが、いずれも糸巻きがサオの先端に対して横回転するスピニング式と呼ばれるタイプではなく、縦回転するタイプのものを使用しています。これには、理由があります。
高空に舞い上がったバイオカイトを巻き戻すには、リールは必需品ですが、実はリールには他にも大事な役割があります。

わずかな風をうまくつかまえて、バイオカイトを風に乗せるために、糸の送り出しをすばやくスムーズに行う必要がありますが、リールを使用することで、フライトチャンスをつかまえやすくなるのです。つまり、リールはバイオカイトの性能の大事な一端をになっている のです。
そこで、先ほどの縦回転するタイプのリールを使用する理由ですが、バイオカイトをうまく飛行させるということは、別の言い方をすると、うまく風をつかまえて風に乗せるということになります。

風は、一般に呼吸をしているように、強くなったり、弱くなったり向きが変わったりしていますが、これらの状態の中で、わずかなフライトチャンスをつかまえて確実にバイオカイトを飛行させるためには、風をカイトフライヤー(揚げ手)が感じなくてはなりません。

風をどこで感じるか・・・?それが、フライヤーが持つリールのスプール(回転部分)を押さえる指先なのです。

バイオカイトが風を感じると、揚力を発生して上昇しようとすることは、すでに何度も説明していますが、そのとき糸の引きが強くなります。スプール(回転部分)に指をかけていると、この糸の引きを感じることができ、フライトチャンスをつかまえやすくなります。

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第一回目になります。

バイオカイトにかかわらず、凧揚げは風を読むことが大切です。今、カイトが風をうまくつかんでいるか、風が弱くて失速寸前であるか、風が強すぎて安定飛行の限界に近づいているかを上空でのカイトの動きを見てすばやく察知し、適切な対処ができる人は、カイトを墜落させることはほとんどありません。

これから説明されるいろいろな操作方法は、上空の風の状態に対処するためのテクニックですが、風の読みを間違えるとトラブルの原因になってしまいます。ですから、まず、上空のバイオカイトの動きを見て、風の状態を知るための目安を説明することにします。

①風が上空でまったくなくなった時には、尾翼のマジックテープ を正しく貼り合わせたバイオカイトはピッチング(縦方向に木の葉が落ちるように揺れながら少しずつ降下します。)を起こします。
このような動きをするときには、フライヤー(揚げ手)は後ずさりをして高度を維持しながら、次の風を待つか、後ずさりをしながら、糸をゆっくり巻取り、高度を少し上げてみて、より高いところの風をつかむかのいずれかの動作が必要です。(糸を巻き取ると糸の長さが短くなるため、高度が下がるのではないかと思われる方がおられるかもしれませんが糸を巻き取るときに発生する向かい風により揚力が発生し上昇角が大きくなり高度が一時的に上がります。)

②風が強すぎるかどうかの見分け方は、バイオカイトの主翼と尾翼の形状をみればすぐに分かります。風が強すぎる場合は、主翼がすぼんで裏側に曲がります。また、尾翼が変形して細くなります。一時的にこのような現象が起きた場合は、あまり心配しなくて良いのですが、絶えずこのような変形が続く場合は、速やかに、前進しながら糸を巻き取っていったん回収してください。このような、風圧のもとでは安定した飛行は難しいだけでなく、カイトを破損する可能性があります。

ただし、主翼がすぼんでいないのに、尾翼だけが変形して細くなっている場合があります。これは、糸目の設定位置が尾翼寄りに寄りすぎて、迎角が大きくなった場合に起きる現象です。この場合は、糸目を頭部よりに少し様子を見てください。糸目の設定ミスにより、尾翼の変形が生じる場合は、合わせて主翼の後縁(後ろ側)のシートもばたついたり変形を起こしています。このような場合は、糸目調整を行えば主翼後縁のばたつきや尾翼の変形はたいてい収まり、安定飛行します。

凧あげは風の読みひとつで奥深く、楽しみが倍増します。ぜひ一度、バイオカイトの表情から風を読み取って飛行させてみてください。
次回は、バイオカイトの飛行時の操作方法の続編をお送りします。

第063号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第二回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第二回目になります。

バイオカイトをリールを使用して飛行させた場合、飛行時のいろいろな状況に応じて、簡単にすばやく対応が可能です。そこで、今回はリールを使用してバイオカイトを飛行させた場合の操作方法を説明することにします。

もともと、バイオカイトにリールを使用した第一の目的は、微風を逃さず、すばやくとらえてバイオカイトを大空に飛翔させることと、高く舞い上がったバイオカイトの巻き戻しを簡便にすることだったのですが、さらに積極的に利用することにより、バイオカイトをただ揚げるだけではなく、操作することができます。

前回、説明をしました風やバイオカイトの表情を読み取るということが、前提になりますが、
今回は、操作方法について
①離陸
②着陸
③空中でのトラブル処理
④急上昇
⑤引き起こし
の順番で解説することにします。

①離陸
リールを使用した場合、離陸の方法は、2通りあります。一番オーソドックスな方法は、バイオカイトが風に乗って上昇する際に、糸の送り出しに軽くブレーキをかけて上昇角を保ったままで揚げる方法です。
手順は、リールの糸の送り出し部のロックを解除し、フリーにした後、高速リールの場合は左手の親指で糸巻き部を軽く抑えます。(標準リールの場合は、右手の中指で、回転部の側板を軽く抑えます。)ブレーキをかけずに、リールの糸巻き部をフリーにしておくと、バイオカイトは上昇せず横流れしてしまいますが、軽くブレーキをかけることにより、上昇角を保ったまま安定して上昇していきます。この方法は、適度な風(3~5m/sec)が吹いているときには有効です。

また、離陸方法にはもうひとつの方法があります。

バイオカイトの糸を送り出したり、止めたりしながら、まるでのこぎりの刃のように揚げていく方法です。この方法は、風が3.0m/sec以下の微風のときに適した方法です。20~30m糸を伸ばすと、バイオカイトは地面とほぼ平行に横流れしていきます。その後、リールの糸巻き部(回転部)に指を押しあてて糸の送り出しを止めるとバイオカイトは上昇し、頭上で飛行を始めます。頭上付近で飛行し始めたら、再度糸巻き部の指のブレーキをゆるめ、糸を送り出します。すると、またバイオカイトは横流れを始めます。 そして20~30m糸を伸ばしたあと糸巻き部にブレーキをかけて送り出しを止めると、バイオカイトは頭上で飛行します。
この動作を繰り返すとバイオカイトは、すばやく高度を獲得できますが、ある程度バイオカイトになれた段階でこの離陸方法を採用された方が無難でしょう。
欲張って糸の送り出しを長く取りすぎると、バイオカイトは横流れを続け、高度を取れずに糸の長さだけがどんどん伸びていき、その間に風の状態が悪くなり乱気流に巻き込まれると、あっという間に墜落させてしまうことになります。

バイオカイトを安定飛行させるためには、できるだけ早く高度を取り(高度50m以上)安定した環境で飛行させることが鉄則であるため、高度をとらずに横流れをさせる距離は必ず、20~30m以内にとどめて高度を早く取るようにしてください。風速5.0m/sec以上の場合は、①と②の中間の揚げ方が必要になります。つまり、低空域で強い風が乱れている可能性があるため、できるだけ早く高度を取りたいのですが、糸にブレーキを掛けすぎると、乱れた風を一気に受けて墜落してしまうため、上昇角度を低く抑えながら、離陸するようにします。

操作方法としては、糸の長さが20~30m程度までは、糸巻き部に軽く指をかけてソフトにブレーキをかけます。すると、バイオカイトは低い上昇角で離陸をしていきます。所定の距離の糸が繰り出されたら、糸巻きに指のブレーキを少し強くかけるとバイオカイトは、急上昇します。このときに、まだ風が乱れている場合は、すぐにブレーキをゆるめて上昇角を低く抑えながら、糸を送り出し、長さを稼ぎます。そして、さらに20~30m程度送り出したときに、前述と同様、強くブレーキをかけるとバイオカイトは急上昇します。

風が強くても、気流が安定している空域に達するとそれなりに安定した飛行になりますので、そのゾーンを見つけることが強風時の飛行のコツになりますが、この説明はまた別の機会にさせていただきます。

 

第064号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第三回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第三回目になります。

前回の離陸に続いて②着陸の説明です。
バイオカイトを飛行させる場合、離陸以上に注意を要するのが、着陸の動作です。今まで、順調に飛行していたバイオカイトを突然、墜落させるケースで最も多く見られるのが、リールで糸を巻き取る際に、カイトがバランスを崩して回転墜落するというケースです。そこで、今日はリールの巻取りが必要な着陸動作についての注意点を数点あげてみます。

バイオカイトを着陸させる場合、まず、第一に確認することは、上空のバイオカイトがしっかり風をつかまえて、飛んでいるか、風がなくて、失速状態かを見てください。しっかり風をつかまえている場合、立ったままで急な糸の巻き取り操作を行うと、回転する可能性があります。ですから、風にもよりますが、カイトの状態を見ながらゆっくり巻き取って下さい。その際、少しでも回転しそうになれば、自分が前進しながらゆっくり糸を巻き取ってください。
立ったままで糸を巻き取る際に、カイトが安定して降下するようであれば、無駄に前進することはありませんが、いずれにするかは、カイトの飛行状態を見ての判断になります。
逆に、カイトが上空で失速気味でフラフラしている場合は、少し下がりながら、糸をすばやく巻き取ってください。
特に、標準リールの場合は、後ろに少し早足で下がりながら巻き取ったほうが良いでしょう。

着陸時の主な注意点は、以上ですが、コツは「決してあわてず慎重に」糸を巻き取ることと、カイトから決して目をそらさないことに尽きます。
上空で、カイトが回転しても決してあわてず、糸巻きを止めて少し前進することで回転は止められますし、失速していれば糸を巻きながら少し下がれば安定飛行に戻ります。
トラブルが起きたときこそ、「腕の発揮のしどころ」ととらえて楽しんでみてください。

第065号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第四回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第四回目になります。

前回の着陸に続いて③空中でのトラブル処理です。
前回までは離陸と着陸の安全な操作について、説明しましたが、 今回は離陸の操作が安全に行われて、上空高く到達したバイオカイトが突然、空中で回転したり、裏返ったりした場合の対処法について説明します。

それまで、順調に上昇していたバイオカイトが、糸の送り出しを止めた途端、くるくるとまるで宙返りをするかのように回って高 度を下げる場合があります。
これは、カイトの左右のバランスが、狂っている場合によく起きる現象ですが、この場合、一旦カイトを地上におろして、原因の確認が必要です。

問題は、どうやってカイトを地上に安全に着陸させるかということですが、特に川や海の上をカイトが飛行しているときに、このようなトラブルに見舞われたときは、絶体絶命です。絶対に、墜落させずに、陸の上に安全に着陸させる必要があります。上空でカイトが、くるくる回り始めると、ほとんどの人が、糸を巻き戻し始めます。
このこと自体は、正解なのですが、ここで、あせらずに次の要領で、巻き戻して欲しいのです。

つまり、前進しながら(カイトに強い風を当てずに)ゆっくりと巻き戻しすることと、万が一、前進しながらゆっくり巻き戻しを行っている最中に、回転がさらに起きるようだと、直ちに、巻き戻しを止めて回転が止まるまで、自分が前進し、飛行に有害な回転を止めて、カイトの姿勢の立て直しを行うことです。
とりあえず、回転をとめると、カイトは上昇しようとします。
この動きを利用して、高度を取れれば、もう一度、前進しながら 糸の巻き取りを行ってください。その途中で、また回転が起きるようだと巻き取りは止めて、前進 だけして立て直し・・・これらの動作の繰り返しが、安全にカイトを着陸させる方法です。

それでは、カイトが空中で裏返った場合はどうすればよいのでしょうか?
空中でカイトが裏返るという現象は、上反角がないか、尾翼のマジックテープを貼り合わせずに飛行させ、上空で突然風が止まって、カイトが頭を下方に向けて滑空を始めた途端に、風が吹き始めて裏に風が入った場合などに起きる現象です。

この場合、カイトの本体に糸を巻きつけて裏返しになっている場合が多いので、絶対にカイトに風圧をかけずに着陸させる必要があります。海上でこのような現象に見舞われた場合を除いて、糸の巻き戻し は、ほどほどにして、とりあえずカイトを地上に安全に降ろすことだけを考えてください。

つまり、糸は完全に巻き戻さなくても、カイト本体が裏返しの状態では、揚力を発生して飛行できないため、高度は自然に落ちてきますが、さらに糸を巻かずに前進だけするとカイトは、糸をたるませて降下し接地します。
それから、糸にある程度張力をかけながら巻き取って、カイトも回収するようにすると破損せずに回収できます。

トラブルに見舞われることは避けたいものですが、やはり自然が相手の凧揚げは、何が起きるか分かりません。もし、このようなトラブルに見舞われたら、落ち着いて、以上の対処方を実行してみてください。

第066号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第五回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第五回目になります。

前回の③空中でのトラブル処理に続いて、④急上昇の操作について説明します。
①離陸②着陸③空中でのトラブル処理とシリーズが進み、今回の急上昇からは、応用動作の説明になります。

「急上昇の操作なんか、普通の飛行をさせるユーザーにとって必要ないのでは?」と思われる方がおられることと思いますが、実は、急上昇のテクニックを覚えておくと、風が吹いたり止んだりしている場合や、低空で舞い風が発生し、凧がくるくる回転して揚げられない場合でも、一気に風の不安定ゾーンを突っ切って上昇し、安定飛行させることができるため、バイオカイトには欠かせないテクニックのひとつなのです。

①離陸の頁ですでに説明したことと重複する部分がありますが、ぜひ覚えておいてください。
急上昇のテクニックは、やはり、風を読むということが基本になりますが、操作の手順としては、バイオカイトのリールのスプール(巻き取り部)に軽く左親指を掛け、ロックを送り出しフリーの状態に保ちます。スプールのブレーキは指で書けるようにします) 風が吹いたら、スプールにかけた指のブレーキをゆるめ、バイオカイトを地面に平行か、やや上向きに横流れさせ、糸を送り出していきます。(個のとき、スプールから親指をはずして完全にフリーにはしな
いで下さい。途中で、風がなくなり、突然、バイオカイトが失速 すると、スプールが空転して、糸がもつれることがあります。)
20~30m程度、バイオカイトを横流れさせたあと、風が吹いているのを確認して、糸の送り出しを止めると、バイオカイトは急上昇を始めます。このとき、風が弱い場合はロッド(竿)を引くと急上昇は加速されます。

広い場所で、この操作を行う場合は、40~50m程度バイオカイトを横流れさせて、その後、糸の送り出しを止めて上昇させると、不安定なゾーンを一気に突き抜けて、上空の良い風が吹いているゾーンに到達できる確率が高くなります。
また、低空でも、ある程度の高度でも風が弱く、バイオカイトが失速すれすれで飛行している状態の下では、糸目の位置を通常の安定位置より、少し尾翼寄り(2~3mm程度)にセットして、迎角をやや大きく取って、前述の横流れ飛行から、急上昇に入ると、弱い風をつかみ、より速く上昇します。
ただし、糸目を尾翼寄りにセットし、迎角を大きく取って飛行させる方法は、風速1m~2m/秒程度の本当に弱い風のときに限定してください。
糸目が下にセットされた状態は、強い風が吹いている中では、バイオカイトにとって好ましい条件ではありません。

本当に風が弱く、普通では揚げられない場合に限って、有効な方法であるとご理解下さい。

これらの急上昇法がマスターできると、普通の人が凧揚げできない舞い風の中でも、ゆうゆうと高さを自慢することができるだけでなく、バイオカイト大会の急上昇コンテストでも、ラスト15秒で一気に周囲をごぼう抜きで逆転という見せ場を作ることができるでしょう。

第067号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第六回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第六回目になります。

⑤引き起こしの操作方法について説明します。
「引き起こし」とは、文字通り上空でバイオカイトが水汲み運動などで、回転しながら、高度を下げ始めたときに、もう一度頭部を上に向けて、体勢を立て直す操作のことです。

一口に、上空でバイオカイトが回転した場合といっても、原因はさまざまであるため、引き起こし操作の説明はなかなか難しいものがありますが、バイオカイトの回転の原因は大別して3つあります。

1)左右の工作上のバランスが悪く、上空の強い風を受けて回転する場合
2)水汲み運動(水汲み運動とは、糸目中心とバイオカイトの重心に距離がある場合、鉄棒の大車輪のように、糸目中心を中心にして尾翼が振られる現象で、ひどい場合は回転を繰り返して、高度を下げたり、墜落したりする場合
3)舞い風による回転
などが理由として考えられます。

今日はこの3つの原因からくる回転降下のうち、1)左右の工作上のバランスの不一致からくる回転の引き起こしについての説明を行います。

まず、この場合の回転は、もともと、バイオカイトの機体が風を受けるとまっすく飛行できない構造になっているので、トラブル対処法として、できる限りバイオカイト本体に強い風を当てずに、着陸させることが必要です。
ということは、少し速足で前進しながら、糸を少したるませるような感覚で、ゆっくり、巻き取りを行ってください。巻き取っている最中に、回転を起こしかけたら、巻き取りをすぐ止めて、速足の前進をすると回転は収まります。
これらを繰り返すことで、安全にバイオカイトを着陸させることができます。
要は、工作上から来る回転が原因であれば、バイオカイトに強い風を当てずに如何に着陸させるかということだけを考えて、操作すれば何とかなります。

それでは、上空で回転するバイオカイトが、工作上のバランスから回転しているのか、水汲み運動によるものか、舞い風によるものかをどうやって見分けたらよいのでしょうか?
筆者は、いつもバイオカイトの飛ばし方を説明するときに、初めて揚げる新しいバイオカイトの場合は、必ず、糸目調整を行ったあと、1~2mで飛行させてみて機体の傾きや回転などの兆候がないかを確認して、徐々に高度を揚げることをお奨めしています。
30m程度でいったん、糸の送り出しを止めて回転や傾きの確認を行い、問題がなければ50m程度でもう一度確認を行います。
それでも大丈夫であれば、まず工作上のバランスが原因で回転する確率はかなり低いと見てよいと思います。
安定して飛行している実績のあるバイオカイトを揚げる場合は、飛行前に、横梁の両端がしっかりシートに貼り付いているか?
V骨と背骨の突合せ部がしっかりとシートに貼り付いているか?
他の骨ははずれかけたりしていないか?
などの確認だけで飛ばしても大丈夫ですが、舞い風が高度30m以下で吹いている場合などがあるため、やはり、その日初めてのフライトの場合は、慎重に行った方が良いでしょう。

まだ、いろいろとお話したいことがありますが、紙面が尽きてしまいましたので、今日はこのくらいにしておきます。

第068号 バイオカイトの飛行時の操作方法のおさらいの第七回目

今回は、バイオカイトの飛行時の操作方法についての説明のおさらいの第七回目になります。

⑤引き起こしの操作方法その二について説明します。
前回は、工作上の左右のバランスの悪さからくる回転引き起こしの説明をしましたが、本日は「水汲み運動」と呼ばれる、糸のついた凧特有の回転からの引き起こし操作について説明します。

「水汲み運動」という聞きなれない言葉に戸惑いを感じる方もおられると思いますが、「水汲み運動」とは、重心と風圧中心の距離のある縦長のバイオカイトを飛行させた場合に見られる現象ですが、基本的には、糸目を少し尾翼寄りにスライドさせると、収まります。ただし、低空域で糸目の位置の確認を行い、安定していたので、上昇させた途端、上空の強い風を受けて、「水汲み運動」を起こしくるくると回転し始めた場合、どうすればよいかという答えが、本日のレッスンの内容です。

この場合は、2つの解決策があります。
1つは、いつもの説明と重複しますが、糸のテンションを緩めることです。
すなわち、糸を巻き取らず固定したままでにすばやく前進することで、糸のテンションは緩みバイオカイトが強い風圧から、開放されるため、振り子現象の一種である「水汲み運動」は収まります。
こうして、いったん姿勢を立て直したのち、前進しながら、ゆっくりと糸を巻き取って、いったん着陸させ、糸目を少し下げて「水汲み運動」をおさめる方法があります。

もうひとつの方法は、「水汲み運動」により、バイオカイトが回転に入った瞬間に、サオを引いて、より強い風をバイオカイトに当てるようにします。すると、強い風圧を受けたバイオカイトは、裏側に仕込まれたGFRPのバネがはたらき、翼をすぼめた状態となり風圧を逃がします。
この翼をすぼめた状態のときに引いたサオを元の位置にすばやく戻すと、一瞬糸がたわんで、バイオカイトは翼を元の開いた状態に戻すとともに、水平飛行の状態になります。連続して、強い風が吹き続けている環境の中で、「水汲み運動」を起こしている場合は、このような操作での引き起こしを行っても、また、すぐ回転運動を再発させてしまいますが、時折吹く強い風で、「水汲み運動」を起こした場合などは、この方法は、有効です。
この方法をうまく使うと、バイオカイトをいちいち着陸させなくても、何とか、飛行を継続できます。

高度さえしっかり維持していれば、むしろ時折回転したり引き起こしを行ったりすることで、アクロバティックな飛行を楽しむことができます。
「水汲み運動」はこわがらないで、むしろうまく利用するようになると、バイオカイトの楽しさが一段と増すことでしょう。

第069号 羽ばたく蝶シリーズのはばたきの糸目設定ができる紹介

羽ばたく蝶シリーズのバイオカイトをお持ちの方は、蝶が2つのはばたきの糸目設定ができるのをご存知でしょうか?

φ0.8のバネを使用しているときは、糸目を頭部寄りに寄せた状態ではばたき、φ1.0のバネを使用したときは、糸目は背骨と横梁の交点より数ミリ尾翼寄りの位置ではばたきます。はばたき動作だけを見れば、風の状態に合わせてバネと糸目位置を組み合わせればよいということになりますし、おそらく大半の方は、強い風でも弱い風でも対応できるφ1.0のバネで飛行させるケースが多いと思います。ところが、実は、蝶の性能をフルに引き出す究極の飛行はφ0.8の弱いバネを利用したアクロバティックな飛行なのです。

φ0.8のバネで飛行させる場合、少し風が強くなるとすぐに翼は、閉じてしまい、揚力が小さくなるため、上昇角が下がり、高度も取りにくくなるため、ある程度熟練を必要としますが、うまく揚げられるようになるといろいろな応用動作が可能になります。糸目を思いきり前にとって飛行させるφ0.8のバネによるはばたき飛行は、同時に8の字飛行のモードに糸目がセットされているため、風の条件が合うと、はばたきながら、8の字飛行に入ります。糸のテンションを張りすぎることなく、緩めすぎることのない、程よいテンションに保つと、バイオカイトは水汲み運動を生じて、宙返りを行うことがあります。
つまり、φ0.8のバネを使用して糸目を頭部寄りにセットして飛行させた場合は、ロッド(さお)の引きや押しだけで、はばたき飛行からはばたきながらの8の字飛行、さらには宙返りと行うことができ非常に変化に富んだ飛行を楽しむことができます。

もちろん、風の強さなどとの兼ね合いがありますので、いつでもこの飛行が再現できるわけではありませんが蝶のバイオカイトには、面白い特性がたくさん詰まっています。

では、φ1.0のバネにするとどうなるかということですが、ばねの強度が強くなった分、風がしっかり当たるように迎角を深くする必要があります。 つまり、糸目を背骨と横梁の交点より数ミリ尾翼寄りにセットする必要があります。この位置で、ピッチングを伴ったはばたき現象が生じることになりますが、このはばたき現象を生じる糸目の位置には通常数ミリ程度の幅があります。つまり、はばたき現象を起こす糸目位置のうち一番頭部寄りに、糸目をセットするとφ1.0のバネでも、はばたきながら、8の字飛行を行うことがあります。

また、8の字飛行時にリールで急な巻き取り操作を行い、わざと水汲み運動を生じさせて、宙返りを行うこともできますが、バネが強い分、レスポンスが速くなり糸目のセット位置も幅が限定され操作もかなり頻繁に糸を引いたり緩めたりのスピードが必要となります。

ですから、筆者は、高く揚げるときにφ1.0のバネを使用し、φ0.8は曲技飛行を行うときに使用するように使い分けています。(風により例外はありますが・・・)
最初は、少し頼りない感じがしますが、一度φ0.8のバネでいろいろ可能性を試してみてください。
いつもと少し違う、柔らかな飛行とはばたきや8の字の連続応用動作が楽しめると思います。

第070号 バイオカイトを上空に揚げるさいの初動についての紹介

先日、あるメディアの取材で、バイオカイトを飛ばすシーンの撮影中、「バイオカイトを地上から、空中に揚げて風に乗せるにはどういう操作をしたら良いのですか?」という質問をうけました。

考えてみると、バイオカイトが上空に揚がった時の説明は、かなりいろいろな角度から続けられてきましたが、一番最初の揚げるきっかけを作る操作については、あまり触れていません。そこで、今日は初動とも言うべき、一番最初の動作についての説明をすることにします。

凧は、風が吹いていて初めて空に揚げる事ができることは、言うまでもありませんが、バイオカイトを揚げるときに、自分の背中は、風の吹いている方向を向いて風を遮っているため、自分の背よりも低い高さでは、バイオカイトに風が当たらず揚げる事はできません。つまり、バイオカイトを揚げようとする場合、風が吹いているときに、自分の頭より高い位置に、バイオカイトを持っていく必要があります。

この初動は、一言で言うと「いい風が吹いた瞬間に、自分の頭の上にいかに安全に、早くバイオカイトを持ってくるか」ということになります。簡単な動作のようですが、やり方によっては、バイオカイトの本体が揚げる前に破損したりする原因にもなりかねません。
飛行の第一歩であるこの初動について、筆者の経験上、一番無難な揚げ方を紹介しておきます。

リールを取り付けたロッドを使用してバイオカイトを飛行させる場合は、バイオカイト本体側の糸により戻しを引っ掛けて、リールから1mくらい糸を伸ばしておきます。
つまり、ロッドの先端から1m位糸が出た状態です。この状態でリールが空転しない様に、親指でしっかりスプール(糸巻き部)を押さえながら、ロッドを上方にすばやく振り上げます。
このとき、手首だけを曲げてロッドを振り上げるのではなく、子供が横断歩道を渡るときに片手をあげている姿勢のようなイメージで腕全体を体の斜め下の位置から頭の位置まで、一気に振り上げるとバイオカイトをうまく風に乗せることができます。」この動作は、リールを使用せず、手巻きの糸を使用する場合でも同じで、あらかじめ1m位伸ばしておいた糸の端を持って、腕を頭上に振り上げると、バイオカイトは安全に風に乗ります。
他にも、いろいろと方法はありますが、この方法が一番はバイオカイトを破損させずに風に乗せる方法であると思います。一度、トライしてみてください。

第071号 急なトラブルが発生した場合の応急処置について説明

今回は、バイオカイト大会などの大会で、急に傾いたり回転したりするなどのトラブルが発生した場合の応急処置について説明します。

今まで、練習では安定して飛行していたバイオカイトが大会中に突然、回転するなど不安定な状態になった場合は、あわてずに次の点を確認し、応急修理をしてください。
①横梁の端部の剥がれ(わずかでも剥がれがあると傾いたり回転したりすることが多い)
②V骨の先端部の剥がれ
③糸目中心の位置のずれ
今まで、安定して飛行していたバイオカイトが突然のトラブルに見舞われる場合、大半は上の3つのどれかということになると思います。
上の3つくらいの点検であれば、すぐにできますので、すばやく点検し、疑わしい個所を応急修理してください。

競技中にトラブルが起きた場合に備え、ポケットの中に5cm位に切った両面テープと、市販の絆創膏などを入れておくと安心です。大会中に、フレームなどの端部が部分剥離した場合は、端部だけを両面テープでとめるか、絆創膏などでフレームを抑えて直接シートに貼り付ければ、すぐに飛行再開できます。
また、競技終了後には、故障個所のフレームの応急修理部分に貼り付けた両面テープや絆創膏は、きれいにはがして、フレーム全体をもう一度正規の両面テープを用いて、貼り替えられることをお奨めします。
これらは、機械装置のメンテナンスと同じでバイオカイトにとっても大事な手入れになります。

競技中のトラブル対策は、1にも2にもあせらないことが大事ですが、もっと大事なことは競技前には、点検をしておくことでし ょう。

第072号 バイオカイトのメンテナンスについて

今回は、バイオカイトのメンテナンスについて、説明をしてみたいと思います。

バイオカイトは、風に乗るように、軽く作られていますが、やはり、飛行中には、その機体にかなり負荷がかかることがあります。ですから、飛行前に、あらかじめ点検をすることは、非常に大事なことです。

多くの方は、バイオカイトを飛ばす前の点検などは、特に行わずに飛ばされることと思いますが、できれば次の点について、確認されると安心して高高度飛行に挑戦できると思います。
点検するところは、
①横梁(木材製の骨)とV骨(背骨を中心にV型に取り付けられている骨)の両端がシートから外れかけていないか?
②バネ受けに亀裂など損傷がないか?
③翼端縦骨(翼中央部に縦に取り付けられた骨)の両端が、外れかけていないか?
④背骨に曲がり癖がついていないか?(背骨はやわらかい素材を使用しているため、バイオカイトを斜めに立てかけたりして長時間経過すると、曲がり癖がついてしまいます。
(平らな面の上でしばらく置いておくと元通りになりますが、背骨が曲がったままで飛行させると回転したり墜落することがあります。)
⑤前回飛行させたときに、糸を木の枝に引っ掛けたり岩などでこすったりした場合、こすった部分の糸を取り除いているか?糸が、何度も岩や木の枝にこすれたりすると、目に見えない亀裂が生じ、上空で強い風を受けて、糸の引きが強くなった瞬間に切れることがあります。
大体、上記のことを点検されると、バイオカイトは安心して長時間大空を駆け巡ります。

最近は、高高度飛行を楽しまれるお客様が多く、一回あたりの飛行時間も軽く1時間を越えることが多いようですので、是非、飛行前点検を行われることをお奨めします。

第073号 バイオカイトを揚げる際の糸についての説明

今回は、バイオカイトを揚げる際の糸についての説明です。

糸についてはこれまでも、何度か説明していますが、やはり、普通の凧揚げをしておられた方が、バイオカイトを購入されて飛行させるときに、一番不安に感じられるのが、糸の太さではないかと思います。

糸についてのご質問が、相変わらず多く、同じような内容のお問い合わせを受けるため、もう一度整理をしておきます。

揚げにとって、糸はフライヤー(揚げ手)と凧をつなぐ命綱に等しいものであるため、糸は太くて丈夫なほうが安心であるには違いないのですが、実は糸の太さは、凧を高く揚げようとすればするほど、有害なのです。糸の重量を気にする方が大勢おられますが、太い糸が有害な理由は、重さではなく、太い糸にあたる風の抵抗にあります。上空に揚がろうとする凧に対して、糸に横から風が当たり、凧を引きおろそうとする力とが絶えず働くため糸が太ければ太いほど、凧は揚がりにくくなります。
バイオカイトの場合、いままでの凧やゲイラカイトと最も異なる点は、水平に近い姿勢で飛行するため、風を受ける面積は普通の凧やカイトに比べて、極めて少なく、風の引きが極めて弱い点です。
また、設定以上の風圧を受けると、翼をすぼめて風を逃がす構造になっているため、糸には必要以上の力がかからないように設計されています。ですから、糸は切れない程度に、細ければ細いほど高く揚げやすくなります。バイオカイトの糸が細い理由は、これによるものなのです。

ちなみに、筆者などは、翼長100cmまでのバイオカイトは#100のナイロン糸で揚げています。
究極は、はばたく蝶シリーズなどで、φ0.8のバネを使用して飛行させる場合は、#200のナイロン糸で飛行させることも可能です。ただし、このような飛行はある程度のレベルの方にお奨めのフライトでこのような細い糸は、手入れが悪いと切れることがありますから、ビギナーの方はレギュラーの糸で飛行させてください。

いずれにせよ、凧と糸とは切っても切り離すことができない関係ではありますが、バイオカイトは、安心して細い糸で飛行させてください。風が強い日などは、細い糸が、音を立てて風を切っているのが分かります。

第074号 バイオカイトを飛ばす前の扱い方についての説明

今回は、バイオカイトを飛ばす前の扱い方について、説明します。

浜辺や公園などでバイオカイトを広げて、バネを連結し、尾翼のつまみを貼り合わせる場合、扱い方を間違えると、破損させることがあります。
以前にも説明しましたが、バイオカイトは傘と同じで、表側からの風には、強く作られていますが、裏側に風が当たると強くありません。また、頭部から尾翼に向けて風が流れるように作られているため、尾翼から風が当たるとやはりあまり丈夫ではないのです。
キャリングケースから、バイオカイトを取り出して、ばねの連結や尾翼つまみの貼り合わせを行う場合、風の吹いてくる方向に背を向けて、(つまり自分の体で風をさえぎるようにして)バイオカイトを組み立てるようにしてください。 ただし、この場合も、頭部が風の方向に向くようにしてください。
また、フィールドで飛行状態に組み立てたバイオカイトを持ち運んだり際には、風向きを絶えず意識して、常にバイオカイトの頭部を風の吹いてくる方向へ向けることと表側に風が当たるようにしてください。
一番良い方法は、1m位糸を伸ばして、バイオカイトを頭上で飛行させながら、移動すると破損もなく安全に持ち運びできます。

凧揚げは、揚げたときに風の流れや方向を確認するのではなく、揚げる前の準備から風を意識すると、うまくいきます。

第075号 揚げたときに万が一、トラブルが起きた場合の対策について

お正月の遊びといえば、凧揚げということで、年末年始には凧揚げをされる方が日本ではやはり多いようです。

そこで、今回は、初めてバイオカイトを購入された方で年末年始にかけてバイオカイトを揚げたときに万が一、トラブルが起きた場合の対策について、説明することにします。

初心者が、凧揚げでうまくいかない要因の第一番目が、風をつかめないということにあると思います。
海岸や広場などでバイオカイトをリールや手巻き糸により戻しを介して連結し、尾翼つまみを貼り合わせたり、糸目の適切な調整できたら、風に背を向けて立ちましょう。
そして、糸を1m程度伸ばし、風が吹いているのを確認して、頭上へリールや手巻き糸を持っている手をすばやく振り上げてください。
ちょうど、子供が横断歩道を渡るときに右手を揚げるように、リ ールを持った手をさっと振り上げて欲しいのです。
すると、バイオカイトは、ちょうど頭上で飛行しはじめます。
このとき、くるくると回ったり、極端に傾いたりしていなければ、少しずつ糸をのばして高度を取るようにしてください。
慣れてくれば、ある程度早く高度を稼いだ方が良いのですが、初めての方は、念のため、ゆっくりとカイトの傾きや回転に注意をしながら揚げるようにしてください。

ところで、年末年始の弊社休業中にバイオカイトを飛行されて、うまく飛ばなかったり、破損した場合は下記のような応急対策を試みてください。
1.カイトが傾く。
傾いて下がっている翼の反対側、つまり上に揚がっている翼の翼端にテープを貼り付けて修正してください。
2.カイトが回転する。 
糸目を尾翼寄りに少し下げて様子を見てください。 糸目を下げても回転が治まらない場合は、尾翼にテープを貼り付けてください。
3.カイトに回転や傾きはないが、上に揚がらない。
糸目が下がりすぎです。 糸目を少し頭部寄りに寄せて、様子を見てください。
4.横梁(木材骨)が折れた。
市販の2ミリ角のヒノキを添え木として折れた部分に貼り付けて補強すると、応急修理になります。
この場合、折れた側だけでなく左右均等に補強するようにしてください。 木材の接着は木工ボンドが有効です。
5.横梁や他の骨がシートから外れかけている。
木工ボンドで外れかけているところを接着してください。
ただし、白色のチューブは木工ボンドでは接着できないため、両面テープで貼り付けなおしてください。
市販の両面テープでも応急的には大丈夫です。

大体、このようなところを踏まえて、バイオカイトを飛ばされると、応急対策になり、後顧の憂いなくフライトを楽しめると思います。